2013 Fiscal Year Annual Research Report
12/15-リポキシゲナーゼ阻害をターゲットとした食品による動脈硬化症予防の研究
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23700916
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Research Institution | Okayama Prefectural University |
Principal Investigator |
川上 祐生 岡山県立大学, 保健福祉学部, 助教 (30453202)
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Keywords | リポキシゲナーゼ / 食品 |
Research Abstract |
LDLの酸化はアテローム性動脈硬化発症の引き金として働くが、この過程に12/15-リポキシゲナーゼが重要な役割を果たしていることが報告されている。したがって、12/15-リポキシゲナーゼの働きを制御することができればLDLの酸化が抑えられ、動脈硬化発症を抑制できることが期待される。本研究では、12/15-リポキシゲナーゼを制御できる新たな食品素材およびその活性成分の探索として中国茶に注目し、これに含まれる12/15-リポキシゲナーゼを阻害する成分を同定することを目的に研究を行った。 昨年度までの研究から、我々が注目した青山緑水という中国茶には12/15-リポキシゲナーゼを阻害する3つのピークが得られ、これらのピークに含まれる2種類の化合物の構造を明らかにした。これらの化合物は光照射により相互に変換し、分子内にヒドロペルオキシ基を持つ新規のモノテルペン配糖体であることが明らかとなり、それぞれLiguroside AおよびLiguroside Bと命名した。Liguroside Aのヒドロペルオキシ基をヒドロキシ基に還元した化合物は、12/15-リポキシゲナーゼ活性の阻害効果は認められなかった。また、青山緑水中に含まれていてモノテルペン部分にヒドロペルオキシ基もヒドロキシ基も持たないKudingoside A(モノテルペン部分以外はLiguroside Aと同じ構造をもつ化合物)もまた、12/15-リポキシゲナーゼ活性を阻害しなかった。このことから、Liguroside Aが持つヒドロペルオキシ基が12/15-リポキシゲナーゼの阻害に強く関与している可能性が示唆され、Ligurosideによる12/15-リポキシゲナーゼ阻害のメカニズムの一端を明らかにすることができた。現在、青山緑水に含まれる他の12/15-リポキシゲナーゼ阻害成分の構造解析を進めているところである。
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