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2011 Fiscal Year Research-status Report

腸管マクロファージにおける腸管病原細菌に対する応答性の解析

Research Project

Project/Area Number 23700917
Research InstitutionOkayama Prefectural University

Principal Investigator

中田 和江  岡山県立大学, 保健福祉学部, 助教 (60411740)

Project Period (FY) 2011-04-28 – 2014-03-31
Keywords腸管マクロファージ / 腸管免疫機構 / 腸管感染症 / 腸内細菌 / 感染防御
Research Abstract

腸管は、食物の消化・吸収を行うだけでなく、食中毒などの腸管感染症から生体を防御する重要な免疫組織である。感染防御において、マクロファージは免疫成立の中枢を担う細胞であり、その機能は存在する組織環境により大きく異なる。しかしながら、腸管病原細菌に関する研究で、腸管マクロファージは殆ど使用されていない。本研究では、常在細菌と病原細菌との応答の違い((1)腸管病原細菌に対する特異的な応答能の解析)と組織マクロファージの応答の違い((2)腸管マクロファージ特異的応答能の解析)について、下記に焦点を絞り研究を進めている。1. 腸管マクロファージ単離法の確立2. 炎症性・非炎症性サイトカイン産生能3. 殺菌能今年度は、1の単離法確立に重点をおき、研究を進めた。当初の予定通り、磁気システムを用いた細胞分離法(Percollによる密度勾配法により収集した細胞にマグネチック粒子標識-抗CD11b抗体を反応させ、磁石でCD11b+細胞を回収する)を行った。本方法により、マウス10匹から容易に1~20,000,000cellsの細胞を得ることが出来た。得られた細胞の精製度については、マクロファージ特異的マーカー(CD68、F4/80)の発現解析から、CD11b+細胞では、CD68で約70%、F4/80で約50%の発現が認められた。分離前の細胞(CD68 約30%、F4/80 約2%)やCD11b-分画の細胞(CD68 約10%、F4/80 発現なし)に比べ、明らかな発現を示した。また、ラテックスビーズによる貪食率を調べた結果、CD11b+細胞では約50%、CD11b-細胞で約10%確認された。本方法の導入前に得られた細胞では、CD68発現が50%以下であったことから、精製度を上げることに成功したと考えている。2、3については、RAWと1で得られた細胞を用いて実験系の確立を進めている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本実験を進めるにあたり一番問題となっていた腸管マクロファージの精製度について、当初の目標通り、新たな単離法によっておおむね改善することが出来た。また、細胞数においても、安定して得られている。炎症性・非炎症性応答の解析、殺菌能についても、得られた細胞を用いて実験系の確立に向けて研究を進めている段階である。

Strategy for Future Research Activity

今回検討した単離法によって実験に使用する細胞の精製度を向上させることが出来た。しかし、まだ樹状細胞などの混入が考えられることや、用いたマグネチック粒子が細胞から取り除くことが出来ないため、細胞が通常状態とは異なる反応を示している可能性があること、貪食させた細菌を観察する場合取り込まれたマグネチック粒子が邪魔になる等の新たな課題が出てきた。そこで次年度は、今回用いた磁気システムを応用したネガティブセレクションによる方法を検討する。具体的には、Percollによる密度勾配法により収集した細胞に樹状細胞用のネガティブセレクション抗体(Mouse Dendritic Cell Enrichment Set、BD)と樹状細胞単離用のマグネチック標識抗体(CD11c Microbeads)を組合せ、得られたマグネット標識ネガティブの細胞について解析を行う。新たな方法で改善が見られない場合は、今年度確立した方法で解析を進めていく。炎症性・非炎症性応答の解析について、赤痢菌や腸管出血性大腸菌の過熱死菌体を用いてTNF-αやNOの産生を確認してきたが、今回得られた細胞では予備的に確認したような産生が見られなかった。RAWや他の腹腔細胞を使った研究から、いくつかの細菌において、生菌と死菌で誘導される応答が異なることが報告されている(Exerc Immunol Rev. 2008;14:38-50.)。感染防御において、腸管マクロファージは死菌よりも生菌に対して積極的な排除に働いていることが考えられるため、腸炎ビブリオ菌や黄色ブドウ球菌など特定病原体に指定されていない病原菌をP2実験室といった適切な設備のもとで取り扱い、生菌による応答性についても解析を進める。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

物品費は、主に腸管マクロファージを単離するためのマウスや酵素、細胞や細菌培養のための培地、マグネチック標識抗体、サイトカイン産生測定のためのELISAキットの他、プラスチック器具などの消耗品の購入に使用する。旅費については、細菌学会などの出張費に使用する。

  • Research Products

    (3 results)

All 2011

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] Lipopolysaccharide IP-PA1 from Pantoea agglomerans prevents suppression of macrophage function in stress-induced diseases.2011

    • Author(s)
      K. Nakata 他2名
    • Journal Title

      Anticancer Research

      Volume: 31 Pages: 2437-2440

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] A mixture of Salacia oblonga extract and IP-PA1 reduces fasting plasma glucose (FPG) and low-density lipoprotein (LDL) cholesterol levels.2011

    • Author(s)
      K. Nakata 他10名
    • Journal Title

      Nutrition Research and Practice

      Volume: 5 Pages: 435-442

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] Cellular response to Vibrio vulnifitacus by intestinal macrophages.2011

    • Author(s)
      K. Nakata 他3名
    • Organizer
      The 7th Joint Conference on Nutrition of Okayama Prefectural University, Woosong University and Sichuan University.
    • Place of Presentation
      Korea
    • Year and Date
      2011.8.17

URL: 

Published: 2013-07-10  

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