2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23700927
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Research Institution | Tokyo Health Care University |
Principal Investigator |
小宇田 智子 東京医療保健大学, 看護学部, 講師 (30391098)
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Keywords | 記憶形成 / フラボノイド |
Research Abstract |
ラット副腎髄質褐色細胞腫由来PC12細胞は、神経成長因子(NGF: Nerve growth factor)で処理することで軸索を伸長することから、神経細胞の軸索伸長モデルとして幅広く用いられている。フラボノイド類の神経回路形成に与える影響を検討するため、PC12細胞にルチンをはじめとするフラボノイド類を曝露し、突起伸長を測定した。 PC12細胞をpoly-L-lysineコートしたカバーガラス上に1×104 cells/wellになるように播種し、10時間後、DMSOに溶解したルチン、ケルセチン、リスベラトロール、メチルヘスペリジンおよびノビレチンを、10 μMの終濃度となるようにPC12細胞にばく露して30分間インキュベートした。その後、NGFを細終濃度が50 ng/mlとなるように添加してさらに5日間培養した。5日後に細胞を10 %パラフォルムアルデヒドで固定後、神経軸索特異的タンパク質であるβ-tublinのモノクローナル抗体で免疫染色し、顕微鏡下で画像を撮影してImage JおよびJMPを用いて軸索の長さを計測し、ルチンやフラボノイド類が軸索伸長に与える影響を検討した。 その結果、フラボノイド類の曝露によりPC12細胞の軸索伸長が誘導される傾向がみとめられた。さらなる確認実験が必要ではあるが、本実験の結果はフラボノイド類の記憶能への有益な影響を示唆するものである。記憶障害は生活の質を著しく低下させるものであるため、食品由来のフラボノイド類の記憶能への有益性の利用は今後、ますます高齢化が進む我が国にとって非常に有益である。
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