2012 Fiscal Year Research-status Report
運動器の血管構造―筋クロストーク異常を改善する食品成分の探索と栄養療法の開発
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23700932
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Research Institution | Nagoya Women's University |
Principal Investigator |
近藤 浩代 名古屋女子大学, 家政学部, 講師 (50333183)
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Keywords | 骨格筋 / サルコペニア / 血管 / 糖尿病 / 栄養 |
Research Abstract |
糖尿病の合併症による血管障害や、ロコモティブシンドロームの原因となるサルコペニアはともに寝たきりの誘因になり様々な合併症を併発しうると考えられる。両者に発生する筋肉や血管の変化を予防することを目的に、これらの病変を予防する栄養成分や食品由来成分のスクリーニングを行った。生体内における骨格筋細胞や血管内皮細胞の増殖因子、プロテアソーム、活性酸素種のレギュレータなどを解析することによって、栄養成分や食品由来成分による予防作用について検証を行っている。 様々な食品由来成分から成分を抽出し、細胞レベルで骨格筋や血管に対する細胞の異常を改善するスクリーニングを行ったところ、乳由来成分などいくつかの物質に効果が見出された。そこで、昨年度に引き続き、当該年度は候補物質の絞り込みを行った。食品由来成分の血管や筋肉代謝活性への影響に関して、多検体を細胞レベル、分子レベルで探索したところ、数種類の食品成分に筋―血管クロストークを改善する候補物質としての活性を見出した。 これらを作用機能ごとに分類し、サルコペニア予防の栄養療法のためのデータを追加した。また、発現解析など詳細な解析を行い、候補物質を厳選した。当該年度はin vivoの試験を行い、生化学的解析、組織化学染色、遺伝子発現解析により、骨格筋と血管構造異常に対する候補物質の予防改善効果の検討を行った。これらを総合的に検討することによって、筋肉と血管の異常を予防改善するための栄養療法を開発する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度から引き続き、約100種類の栄養素や食品由来成分について抽出と検体溶液の調整を行った。培養細胞の増殖レベル、遺伝子発現レベルでスクリーニングを行った結果、乳由来成分など、いくつかの食品成分の候補が見出されたため、さらに候補物質の絞り込みを行った。活性種類別に候補物質の絞り込みを行うために、細胞代謝活性や調節因子について詳細な測定を行いデータベースに追加した。また、今年度はこのうち2種の食品成分について実験動物に投与し、サルコペニアや糖尿病などにおこる筋―血管系の異常に対して、その改善効果を組織レベル、遺伝子レベルなどにおいて検証した。経時的に血液の生化学検査を行い、下肢の筋肉組織など各組織を摘出し、組織切片を作成して組織化学染色、蛍光免疫組織化学染色、筋原線維たんぱく質解析、血管構造解析を行っている。その結果、組織学的に血管構造に対する効果や、細胞の障害に対して保護作用を示す効果が認められた。そのメカニズムなどの詳細な解析は現在進行中である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進に関しては、これまでに得られたデータベースや、in vivoにおいて食品由来成分をモデル動物に投与して得られた各種生体サンプルを用いて、サルコペニアや糖尿病などにおこる筋―血管系の異常に対する改善効果について組織レベル、分子レベルの解析をすすめ、効果の作用範囲やそのメカニズムに関する詳細な検証を行う。食品由来成分の筋細胞と血管に対する影響について、これらのデータを統合し、筋萎縮と血管の異常を予防改善する栄養療法について総合的な検証を行う方策である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度は、当該年度においてモデル動物に投与して得られたサンプルから、サルコペニアや糖尿病などにおこる、筋―血管系の異常に対する改善効果を組織レベル、分子レベルなど詳細解析研究と総合的なまとめを行う。そのために次年度にむけた研究計画において、これらを総合的に検証し、公開するための費用とする計画である。
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Research Products
(6 results)