2011 Fiscal Year Research-status Report
インドネシアにおける小児肥満予防/改善教育健康プログラム開発の試み
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23700936
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Research Institution | Kobe Women's University |
Principal Investigator |
松本 衣代 神戸女子大学, 健康福祉学部, 助教 (70425106)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 肥満予防/改善 / 児童肥満 / 健康教育 / インドネシア |
Research Abstract |
研究調査対象地域である,インドネシア・ジョグジャカルタ特別区に出張し,共同研究者であるインドネシア国立ガジャマダ大学医学部看護学科主任と面会し,対象地域や対象とする小学校の公私立の区別,プロトコールの確認や質問紙の作成・翻訳作業などを行った。また,我々が過去実施した対象予定小学校での予備調査の結果を見直す作業を行うと同時に,世界第2位の肥満率を抱えるミクロネシア連邦共和国で実施した栄養調査について太平洋諸国での肥満に与える因子となり得る生活習慣を抽出し,本調査研究での質問紙作成の一助とした。また,都市部と農村部の健康栄養上の問題点を明らかにするべく2010年にインドネシア・パプア州で山間部住民と山間部から都市部への移住した住民を対象に行った調査では,都市部住民ではBMI25以上の過体重の者が有意に増加しその傾向は女性で顕著であった。また,24時間思い出し法による栄養調査の結果では,都市部住民では全体の総摂取エネルギー量は山間部住民に比較し有意に減少しているにもかかわらず,全体の総エネルギー摂取量に対する脂質エネルギー比,タンパク質エネルギー比は増加し,炭水化物エネルギー比は減少していた。以上の事から,都市部と農村部では肥満に与える因子が異なり,児童肥満予防プログラム構築の際,居住地域の因子を考慮する必要が示唆された。本年度は,小学校との日程調整が困難であったが,来年度の調査日程を済ませ,現在質問紙の具体的な推敲に移っている。また,同様の調査を同じインドネシアであるが,文化・生活が異なるバリ島の小学校でも実施するべく,バリ島にある国立ウダヤナ大学医学部とも調査の日程等に関して調整中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究対象の小学校での年間の行事が既に決定していたため,本年は調査小学校との日程調整が困難となり,現地での調査に移る事ができなかったが,過去のデータの洗い直しや,プロトコールの確認,質問紙の作成等を遂行する事ができた。よって,予定していた予算よりも執行額が少額となり,次年度の調査のため持ち越す事となった。しかしながら,渡航により直接現地でのミーティングが可能となり,研究提携も速やかに締結する事が出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
調査対象小学校での日程がある程度決定している事から,渡航し今後は調査ジョグジャカルタ特別区の公私立小学校での基礎データ採取並びに,健康教育プログラムの作成に取り組む。効果の高い肥満予防教育プログラム作成のため,具体的には,我々が1年生の時に調査を行った児童が次年度に6年生になる事から,彼らを対象に身体計測,質問紙による食知識レベルの確認,食行動の詳細を調査し,肥満状態を継続している児童,1年生時は標準体重であったのに肥満になった児童の食生活,食行動を詳細に分析し因子を抽出した後,低学年児童を対象とした健康教育プログラムを作成し,現在低学年にある児童に対して実施する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度,繰り越した予算を使用し,渡航期間を延長し児童の健康教育プログラム作成に取り組む。また,効果の高い肥満予防教育プログラムの作成を目指すため,児童の興味を引きやすいゲーム感覚のものを作成するため,デジタル機器を使用した教育媒体も視野にいれ,現地でのノートPCの購入を予定している。また,保護者に配布する葉書作成用の文具,調査協力者(調査対象者)の保護者に対する謝金を支払う予定にしている。
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Research Products
(2 results)