2013 Fiscal Year Research-status Report
インドネシアにおける小児肥満予防/改善教育健康プログラム開発の試み
Project/Area Number |
23700936
|
Research Institution | Kobe Women's University |
Principal Investigator |
松本 衣代 神戸女子大学, 健康福祉学部, 助教 (70425106)
|
Keywords | 児童肥満 / インドネシア |
Research Abstract |
研究計画どおり、調査対象地をジャワ島ジョグジャカルタとして計画を進めていたが、平成25年度は、カウンターパートの海外留学、産休などで計画通りの研究が実施できず、困難を極めた。そこで、これまで情報解析やインドネシアでの健康指導法などの指導を受けていた、インドネシア国立ウダヤナ大学医学部の協力を仰ぎ、ジョグジャカルタと同様に栄養の2重苦(double burden of nutrition)による都市部の児童肥満、栄養欠乏が問題になっているバリ島の小中学校での調査を実施する事とした。 申請者は、これまでバリ島の都市部または農村部や離島での成人の肥満に関する調査を共同研究者が多数在籍する国立ウダヤナ大学医学部と実施してきた。その際、特に都市部では肥満度の高い児童が頻出しており、ジョグジャカルタ地域と同様児童に対する健康指導プログラムの必要性を感じた。また、バリ島はジョグジャカルタに比較し海外に向けた観光業が盛んである事などから他の文化を吸収しやすい背景があり、古都として地域文化を保守的に守る気風があり、他の文化を受け入れる事に多少躊躇が見られるジョグジャカルタ以上に健康教育の効果が見られる可能性がある点でも、追加データを得る対象地域として優れていると考える。 そこで、平成25年度で余剰となった予算を平成26年度に繰り越す事とし、ジョグジャカルタでは十分に得られなかったデータの蓄積を引き続きバリ島で実施する事とした。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
海外のカウンターパートの産休、留学に研究の時期が重なり、追加データ確保のための対象地としてバリ島での調査計画を再計画したため。
|
Strategy for Future Research Activity |
バリ島の主な産業は観光業であり、インドネシアの中でも特に近代化している都市である。しかしながら、観光業が成り立たない山間部などでは、都市部と異なり現在でも農耕を生業としている。バリヒンズーが主とした宗教であるバリ島の食生活はイスラム教徒が主であるジョグジャカルタとは異なる点があるが、朝に一日すべての食事を調理し食事をする点や、小学校の近辺に簡単に間食が取れる売店が必ずあること、都市部では歩道の整備がなく、バイクや車での通学が主となっていること、ファストフード店の大規模な進出が見られる事などジョグジャカルタと同様の理由により児童の肥満が問題になっている。したがって、バリ島に居住する児童を対象にした調査を追加する事により、インドネシアの主要な2つの文化圏に属する児童への健康教育法構築のためのデータ取得が可能になり得ると考える。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初の調査対象地であるジョグジャカルタのガジャマダ大学に所属するカウンターパートの海外留学、出産に伴い、当初の予定よりも現地での調査が滞る結果となった。そこで、同じく児童肥満が問題となっている、バリ島の共同研究者の協力を得て、バリ島での調査、データ収集を計画し、計画履行のため旅費ならびに必要経費を次年度に繰り越す事とした。その結果、インドネシアの大きな2つの文化であるイスラム教文化圏に属するジョグジャカルタ地域とヒンズー教文化圏に属するバリ島の2つの地域での調査が可能となり、よりインドネシア全土の文化的背景を踏まえた教育プログラムの作成につながると考える。 バリ島での調査にかかる旅費ならびに滞在費、教育プログラムの作成にかかる印刷費、媒体の作成にかかる物品費等に使用する計画としている。
|
Research Products
(1 results)