2014 Fiscal Year Annual Research Report
インドネシアにおける小児肥満予防/改善教育健康プログラム開発の試み
Project/Area Number |
23700936
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Research Institution | Kobe Women's University |
Principal Investigator |
松本 衣代 神戸女子大学, 健康福祉学部, 准教授 (70425106)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 小児肥満 / インドネシア |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,インドネシア・ジョグジャカルタ地域での小児肥満児童を対象とした肥満予防教育プログラムの開発を目指し、先行調査で児童の過体重の割合が高値であった当該地域私立小学校での生活調査を基に、児童が家庭で好ましい食生活を体現する事で児童を取り巻く成人にも肥満予防につながる食生活が伝播すると考えた。また、当初はジョグジャカルタ地域のみを調査対象地域としていたが、より多くの食生活の背景の踏まえたプログラム作成の為、研究調査協力を得られたバリ島スラウェシ島での調査も実施した。 ジョグジャカルタ地域において肥満度は都市部と地方で大きく異なり、また都市部においても公立小学校に比較し私立小学校で高い肥満率が観察された。肥満を誘因する食生活の大きな要因としては,肥満児童の多くの家庭では調理者が家政婦であり,児童が喜ぶ食品を好きなだけ与えている可能性が考えられた。また,体育の授業以外で運動習慣のある児童は5%未満であり,通学も保証人や家政婦さんの送り迎えがある場合は車で,また児童のみで通学する場合もベチャと呼ばれる3輪自転車で通学する事がほとんどであり,慢性的な運動不足である事が示唆された。 しかしながら,バリ島では本調査の観察地域では肥満児童は1%程であり,ジョグジャカルタ地域ほどの肥満率が観察されなかった。そこで,肥満予防プログラムの作成にあたり,同じ都市部でありながら高い児童肥満率が観察されたジョグジャカルタ地域とバリ島の食文化の背景の差として考えられた要因を考え,児童が家庭環境に影響を受けず,効果的に肥満を予防できる内容として,運動習慣の強化を考えた。しかしながら,ジョグジャカルタでバリ島に比較し運動習慣が少ないことは,公園や歩道などのインフラが整っていないことも一因として考えられるため,教室内で楽しく実践できる体育遊びと基本的な栄養素の知識を盛り込んだパンフレットを作成した。
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