2012 Fiscal Year Annual Research Report
機器分析を志向した簡便かつ迅速なビタミンB12分析法の開発と評価
Project/Area Number |
23700946
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Research Institution | National Institute of Health and Nutrition |
Principal Investigator |
松本 輝樹 独立行政法人国立健康・栄養研究所, 食品保健機能研究部, 室長 (70455418)
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Keywords | ビタミン / 定量分析 |
Research Abstract |
水溶性ビタミンの定量法として、広く微生物学的定量法 (MBA 法) が採用されているが、より簡便かつ迅速な高精度分析方法として、LC 及び LC/MS によるビタミン B12 定量法について検討を行った。 LC 法では、ppm レベルの含有量のものであれば、複雑な前処理を行わずに、UV (550 nm) による定量が可能であることが明らかとなった。LC/MS 法は、MBA 法に比べ、感度で 100 倍劣り、測定試料に含まれる夾雑物の影響を強く受けることが明らかとなった。よって、定量化を実現するためには、試料溶液の精製が不可欠であり、固相抽出の応用を検討した。担体にイオン交換樹脂を用いたものは、使用可能な抽出溶媒が制限され、測定対象物を充分に抽出できないことや、C18 は夾雑物の除去が不充分でシグナルを検出できなかったが、イムノアフィニティカラムを用いた検討では ppb レベルの試料でも充分に測定可能であることが明らかとなった。 また、LC/MS 測定時の内部標準物質として使用可能なシアノコバラミン誘導体の合成に関し検討を行い、Ribose-5'-OH にアルキルアミンを反応させた化合物を得ることができ、分析操作時間の短縮化と定量化精度の向上に寄与できる可能性が示唆された。 本検討結果より、ビタミン B12 の定量は、含有量が比較的に高濃度の際はLC (UV) 法を、低濃度の際は、イムノアフィニティカラムと内部標準物質の併用による LC/MS を用いることによって、MBA よりも迅速に実現可能であることが示唆された。
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