2011 Fiscal Year Research-status Report
ものづくり授業における映像教材とディジタルフォトフレームの活用に関する研究
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23700951
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Research Institution | Joetsu University of Education |
Principal Investigator |
東原 貴志 上越教育大学, 学校教育研究科(研究院), 准教授 (10370850)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 映像教材 / ICT機器 / ディジタルフォトフレーム / 授業実践 / 技術・家庭科 / 中学校 / ものづくり / 技術分野 |
Research Abstract |
平成23年度は,ディジタルフォトフレーム及び書画カメラなどのICT機器を活用した,中学校技術・家庭科(技術分野)の軽くてじょうぶな橋の模型製作を題材とした授業実践について,ICT機器としての活用状況に関する考察を行った。授業においてディジタルフォトフレームは,工具の使用方法や材料を切断・接合する方法,製作マニュアルなどの情報を学習者に提示していた。また,書画カメラで撮影されたたわみ量の違い画像は,ペアで比較・検討をさせ,その部分を補強・補修させるといった,学習者の行動を引き起こす刺激として働いていた。生徒は,ディジタルフォトフレームの動画説明の機能を活用して正しく安全な工具の使用について理解していた。また,製作する過程で生じる問題を個人やグループで考え解決するため,ディジタルフォトフレームの動画検索の機能を活用することや,自分の加工技術を向上させるため,ディジタルフォトフレームの動画再生の機能を活用して,振り返ることを行っていた。以上の結果,ディジタルフォトフレームは映像の再生に特化しており,小型で操作が簡単であるため,複数台設置することにより,個々に応じて学習指導を展開するうえで有用であることが明らかとなった。また,作業手順や工具の使用方法などの映像教材を収録したディジタルフォトフレームを,書画カメラとディスプレイを組み合わせることにより,より効果的に授業に活用できることが明らかとなった。また,中学校技術・家庭科(技術分野)の「生物育成に関する技術」の題材として,木材の生産に関する映像教材の作成に関する研究を行った。平成23年度は,木材の生産で取り上げるべき指導内容と年間の指導計画について検討するとともに,枝打ちについて,道具の使用方法や作業手順に関する映像教材を作成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り,中学校の技術・家庭科(技術分野)の題材である「じょうぶな橋の模型づくり」について,(1)選択した動画の再生,(2)動画のリピート再生,(3)記録媒体に保存された動画の再生機能に応じた,工具の使用方法や作業手順に関する映像教材を制作し,ディジタルフォトフレームを活用した授業実践の分析を行うことができた。なお,この研究成果を,「ICT機器を活用した中学校技術・家庭科(技術分野)の授業実践」と題して,日本科学教育学会第35回年会東京大会(東京工業大学)において発表した。また,ものづくり授業に関する先行研究の成果を踏まえて,本学大学院生2名の協力を得て,中学校技術・家庭科(技術分野)の「生物育成に関する技術」について,木材の生産に関する映像教材を作成した。この映像教材は,屋外でも使用可能とするため,音声と字幕を挿入した簡潔なものとした。この映像教材に関しては,平成24年度において授業実践で活用予定である。以上の通り,映像教材の開発について当初の計画通りおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度は,平成23年度に得られた結果を基にして,映像教材の改訂や新たな映像教材の制作を行うなど,中学校における授業実践例の充実を図る。中学校の技術・家庭科(技術分野)の「生物育成に関する技術」について,(1)選択した動画の再生,(2)動画のリピート再生,(3)記録媒体に保存された動画の再生機能に応じた,木材の生産に使用する道具の使用方法や作業手順に関する映像教材を制作し,ディジタルフォトフレームを活用した授業実践を行う。この実践では,充電式のディジタルフォトフレームを活用し,屋外においても映像を活用した授業を行う予定である。本研究で得られた結果を取りまとめ,学会において成果の発表を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度においては,映像教材の制作経費,学会旅費,ならびに研究協力者(本学大学院生)への映像教材の制作補助やアンケート分析に関する謝金を計上し,使用する予定である。
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Research Products
(3 results)