2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23700953
|
Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
清野 辰彦 山梨大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (00550740)
|
Keywords | 数学教育 / 数学的モデル化 / 数学的モデル化能力 |
Research Abstract |
現実事象の問題を数学を活用して考察する能力や態度,すなわち,数学的モデル化の能力と態度の育成は,生きる力の育成を掲げる学校教育において,数学教育が果たすべき重要な役割の1つである。そこで,数学的モデル化の学習指導をどのように行っていくべきかを規範的に考察するとともに,現実事象の問題に対する子どもたちの思考を明らかにし,学習指導の有効性を実証的に考察していくことが必要である。 本研究の目的は,数学的モデル化の能力と態度を明確にするとともに,数学的モデル化の能力と態度を育成するための学習指導を構築することである。そのために,まず,先行研究における数学的モデル化能力について考察し,本研究における数学的モデル化能力を明確にした。数学的モデル化能力は,定式化,数学的処理,解釈・評価の各局面を遂行するのに必要な能力と数学的モデル化過程全体をモニタリングし,コントロールする能力の2つの柱で規定した。次に,数学的モデル化能力と態度を育成するための学習指導について考察した。具体的には,1つの事象に対して,経験的モデル化と理論的モデル化の双方を意識させる学習指導について考察した。また,その学習指導を実現するための教材として,制動距離と制動初速度との関係を考察する「スリップ痕の問題」,並びに「プロジェクターの問題」を開発した。 また,テクノロジーの使用を前提としたときの学習指導について考察した。具体的には,実験データや統計データの回帰分析を行う際に重要となる最小二乗法の基本的な考え方の理解を目指した学習指導について考察した。 そして,数学的モデル化能力と態度の育成を目指した授業を実際に行い,構築した学習指導が有効に機能しうるかどうかを検討した。具体的には,比例の概念を活用して,現実事象を数理的に考察する際の見方・考え方を獲得するとともに,グラフの有用性を感得することを意図した授業を例に検討した。
|
Research Products
(1 results)