2013 Fiscal Year Annual Research Report
大学の研究活動における組織的・知的構造の日本的特質の解明と構造変容のアセスメント
Project/Area Number |
23700966
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Research Institution | National Institution for Academic Degrees and University Evaluation |
Principal Investigator |
林 隆之 独立行政法人大学評価・学位授与機構, 研究開発部, 准教授 (30342629)
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Keywords | 研究評価 / ビブリオメトリクス |
Research Abstract |
本年は、まず、研究活動の多様性に関する理論的・実証的な論文の執筆を行った。その中では、研究費や論文データを用いて多様性を分析する際の分析単位の課題ならびに分析を行うデータ基盤について実証的に検討すると共に、研究成果の多様性について分析を行った。分野による指標の状況の差異から、機関単位での分析による資金配分では大学構成により大きな影響を受ける可能性を実証的に示すとともに、機関単位で資金が集中することで、分野ごとの研究活動の安定的実施に影響を受けやすい学問分野を明らかにした。また、分析を進める中で以下の更なる課題が明瞭になった。第一には、研究資金の効果を把握してより詳細なシミュレーションを行うには、いかなる研究資金によりいかなる論文が生まれているかといった関係を具体的に分析可能とする必要がある。そのため、論文に記された資金源への謝辞情報の分析をすすめ、その結果、複数の資金が共同で受領されているなどの研究資金の構造についての知見を得て学会報告などを行った。また二点目の課題として、研究活動の多様性を考慮する際には、論文などのビブリオメトリクスデータに現れる研究成果以外の成果を適切に把握する必要がある。そのため、研究業績については、大学評価の提出資料の分析などにより、分野によりそもそも論文データがどの程度使用可能であるか、引用数等のビブリオメトリクス指標以外にどのような指標が望まれるかを検討した。その際には、海外比較との点から英国RAE2008での比較を行い、それを通じて日英の卓越した研究成果の特質の分析を進めた。
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