2012 Fiscal Year Annual Research Report
プレゼンテーション・スライド作成を題材とした「情報伝達スキル」協調学習環境の構築
Project/Area Number |
23700971
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
小尻 智子 関西大学, システム理工学部, 准教授 (40362298)
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Keywords | 情報伝達スキル / 協調学習 / プレゼンテーション作成支援 / 議論支援 |
Research Abstract |
伝えたい内容を正確にかつ効果的に伝えることのできるプレゼンテーション・スライドを作成できるようになるためには,伝えたい内容や聴衆者の理解状態に応じたスライドを構成する「情報伝達スキル」が必要となる.本研究課題では,科学技術研究に関するスライドをグループで改良する活動を通して,情報伝達スキルを育成する手法とその支援システムを構築した.①プレゼンテーションを聞く,②各自で改良案を考える,③グループでお互いの改良案を議論する,という一連の活動を提案し,I)改良案を容易に表出できるプレゼンテーション・ストーリ編集ツール,II)複数の改良案から議論すべき改良箇所を提示する議論誘発機構を開発した. スライドは伝えたい内容を説明するトピックの系列であり,トピックは主張内容を文字や図で表現したパーツで構成される.スライドの改良案を作成する際,トピックとパーツそれぞれに対して追加・削除・修正・入れ替えを行う.プレゼンテーション・ストーリ編集ツールでは,入力されたスライドをパーツ単位に分割するとともに,パーツ間を関連づけさせる機能を提供し,改良案を容易に表現できるインタフェースを提供した.本ツールを用いて改良案を作成してもらった結果,パーツの粒度やインタフェースの構成は改良案の作成に適していることが確認された. 議論誘発機構は,メンバよって作成された複数の改良案に基づいて,活発な議論がなされるように議論点を順次提示する.改良案は元のスライドに対し,トピックの系列/内容と,パーツの系列/内容が変更されている.そこで,改良案と元のスライドとの差分の種類から変更の種類を推定し,多くのメンバに変更された個所から順に議論点として提示する手法を提案した.本ツールを用いて議論を実施した結果,提示された議論点は妥当なものであり,円滑な議論の誘導に効果があることが明らかになった.
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