2012 Fiscal Year Research-status Report
学習と評価の可視化により学習ストラテジーを育成する自律学習型英語教材の設計と開発
Project/Area Number |
23700972
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高橋 幸 京都大学, 高等教育研究開発推進機構, 准教授 (50398187)
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Keywords | 英語教育 / EAP / TBLT / CEFR / eラーニング / 双方向型 / アクションリサーチ |
Research Abstract |
学習活動と評価に関する情報を可視化することにより,学習者が個々に合った学習ストラテジーを身につけ,自律的に学習するのを支援する英語eラーニング教材の設計及び開発に向け,平成24年度は以下のことを行った. 1.双方向型英語運用能力を測るテストについての検討:試行としてTOEFL(R)のサンプルテストを用いて被験者に対し実施した.結果を分析したところ,英語運用能力に関する分別力は高いという結論が得られた.双方向型運用能力について定義の確認と共に,その能力を測る方法について更なる検討が必要であることがわかった. 2.双方向的な活動を促す課題やその評価方法についての研究:学生の能動的な学習を取り入れた授業形態であるアクティブラーニングについて,その概念,実践例,評価方法,学習効果について文献調査を行った.調査結果を踏まえ,双方向的な活動を促すと予想される課題を作成した.それらの課題をeラーニング教材に導入する前に,iPadを用いた対面授業で利用し,課題の妥当性について検証を行った. 3.学習や評価に関する情報の可視化方法についての研究:学習者にどのような情報をどのような方法でいつ提示することが,学習ストラテジーの確立や学習効果に結びつくのかを調査するために,評価に関する文献調査を行った.また,提示する情報を学習履歴と学習成果に,情報の提示回数を毎回提示する方法と数回にまとめて提示する方法に分類し,学習者に与える影響を分析した.分析結果を踏まえ,学習や評価に関する情報の適切な提示方法について仮説を立て,それを基に平成26年度に実施するパイロットテストの計画を立案した. 4.教材開発に向けた準備:平成25年度に着手する教材開発に向け,素材選定,スクリプト作成,教材加工などを行った. 5.学会への参加:国内の関連学会に参加し,最新の研究成果について学ぶと共に専門家と情報交換を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成23年度の課題として残っていた,学術目的の双方向型英語運用能力を測るテストについて検討事項が多く残り,平成25年度にも持ち越すこととなってしまった. この作業のずれ込みに伴い,本年度中にeラーニング教材の素材を15つ選定し加工予定であったが,8つに留まり,教材の開発準備に遅延が生じた.
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Strategy for Future Research Activity |
今後の推進方策:教材の開発準備については,研究協力者の協力を得ながら,精力的に作業を進め,遅れを取り戻す.また,CMS(コースマネジメントシステム)であるSakaiとMoodleを活用することにより,開発作業を効率的に進める. 研究計画の変更:当初案では,平成25年度にeラーニング教材のオーサリングツールを開発することを予定していた.しかしながら,研究組織(研究代表者,情報処理を専攻する大学院生)が独自で行うには作業負担が大きいこと,また専門業者に依頼する場合には予定していた以上の経費がかかることから,学内で運用されているCMS(SakaiとMoodle)を活用することにした.その分,教材の拡充(課題の充実と教材数の増加)を図る予定である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度の目的は,eラーニング教材の開発である.平成24年度時点ではどのCMSを利用するか未定であったため,当該年度に購入予定であった教材開発に必要な物品(ソフトウェアなど)の購入を延期した.そのため,平成25年度にはその購入費が物品費として必要となる.教材作成や校閲において,研究協力者の協力が必要となり,謝金が必要である.また,研究の動向を調査するために,学会参加や視察調査に伴う旅費が必要となる.
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