2013 Fiscal Year Research-status Report
学習と評価の可視化により学習ストラテジーを育成する自律学習型英語教材の設計と開発
Project/Area Number |
23700972
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高橋 幸 京都大学, 国際高等教育院, 准教授 (50398187)
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Keywords | 英語教育 / EAP / eラーニング / TBLT / 双方向型 / アクティブラーニング |
Research Abstract |
学習活動と評価に関する情報を可視化することにより,学習者が個々に合った学習ストラテジーを身につけ,自律的に学習するのを支援する英語eラーニング教材の設計及び開発に向け,平成25年度は以下のことを行った. 1.教材の設計書の策定および教材プロトタイプの作成と改善:前年度のアクティブラーニングに関する調査結果をうけて,ブレンデッド形態(eラーニングと対面授業)でも利用できるように,eラーニング教材を設計した.教材は,アカデミックリーディング,アカデミックリスニング,アカデミックライティングを統合したタスクによって構成した.教材のプロトタイプは,TBLT(Task-Based Language Teaching)の枠組みに基づき,専門語彙や講義の動画などのリソースの学習というプレタスク,それらを基に要約作成やディスカッション,プレゼンテーションなどを行うメインタスク,それらの活動に対するリフレクションやピアフィードバックなどを行うポストタスクという流れとした. 2.教材開発:教材は,授業15回相当の量をCMS(Course Management System)であるSakai上に構築した.また,講義動画のスクリプト,字幕,単語リスト,模範解答などの補助教材を作成した. 3.学習や評価に関する情報の可視化方法についての検証:前年度に行った学習成果や評価の可視化方法に関する文献調査に基づき,試験的に情報を学習回ごとに提示し,学習成果物をポートフォリオに蓄積する設定にした. 4.学会や研究会への参加:国内の関連学会や研究会に参加し,最新の研究成果について学ぶと共に専門家と情報交換を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度は教材の素材選定などの遅れに伴い,開発準備に遅延が生じていたが,本年度は1セット(15ユニット)分を開発することができた.開発上のノウハウも蓄積できたため,さらに効率的に開発作業が進められると期待できる.
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Strategy for Future Research Activity |
試験運用の検証:本年度の教材の試験運用の結果を検証するため,学習・教育効果や教材のユーザビリティ,双方向性に対する学習者による意見を分析し,教材のプロトタイプの改善を行う.データについては質問紙調査と学習履歴のデータを既に収集しており,分析を行う準備ができている. 教材の拡充:改善したプロトタイプを基に,研究協力者の協力を得ながら,2セット(30ユニット)分相当の教材の拡充を行う.また,教材の利用方法を記したマニュアルや補助教材をまとめる.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
教材開発の作業計画の変更や作業進捗の影響に伴い,開発補助に携わる研究協力者の謝金額について当初の予算額より変更が生じた. 平成26年度の目的は,開発した教材を運用し,学習と評価の可視化方法とその効果を調査するアクションリサーチを実施すること,その調査結果を基に教材をさらに改善すること,学会での報告などを通して研究成果を発表することである.そのために,アクションリサーチへの協力者や,教材開発やデータ整理などを行う研究協力者への謝金が必要となる(本年度の残額は,謝金として使用する).また,研究成果の公開のため,報告書の製本費や,国内外の学会発表のための旅費が必要となる.
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Research Products
(6 results)