2012 Fiscal Year Research-status Report
ミドル・リーダーによるメンタリングを支援するリフレクションシートの開発
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23700975
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
島田 希 高知大学, 教育研究部人文社会科学系, 講師 (40506713)
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Keywords | メンタリング / ミドル・リーダー / リフレクション / 教師教育 |
Research Abstract |
本研究は、若手教師へのメンタリングを行うミドル・リーダーを支援することを目的として、ミドル・リーダーが自らのメンタリングの方法や内容を日常的に点検・評価するためのリフレクションシートの開発を目指すものである。平成24年度における主な研究実績の概要は、以下5点である。学校現場における若手教師の増加は、大都市圏に限らず、他の地域でも主要な課題として認識されつつある。それゆえ、若手教師の成長を支援するための体制を整えることは喫緊の課題であり、以下に示す研究成果をさらに深化・発展させていくことが不可欠である。 (1)若手教師へのメンタリングを行うミドル・リーダーに対するインタビューデータを分析し、リフレクションシートの完成にむけて知見を整理した。 (2)これまでの研究実績をまとめ、日本教育工学会第28回全国大会において、研究発表(「若手教師支援に関わるミドル・リーダーのためのメンタリング・ハンドブックの開発」)を行った。また、『高知大学教育実践研究』に論文「若手教師の成長を促すメンタリング機能の類型化」を投稿し、掲載された。 (3)日本教育工学会、日本教師教育学会および教師教育に関連する研究会に参加し、メンタリングに関する研究知見の収集につとめた。 (4)AACTE(American Association of Colleges for Teacher Education)の年次大会に参加し、米国の教員養成および現職教育におけるメンタリングの取り組みについて情報収集を行った。加えて、米国において活用されているメンタリング関連の資料を収集した。 (5)平成25年度の研究計画を改めて点検し、その円滑な遂行を実現するための準備を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
若手教師へのメンタリングを行うミドル・リーダーを支援するために、ミドル・リーダーが自らのメンタリングの方法や内容を日常的に点検・評価するためのリフレクションシートを開発するという研究目的の達成にむけて、平成24年度においては、(1)ミドル・リーダーへのインタビューデータの収集・分析、(2)リフレクションシートの完成にむけた検討、(3)国内外におけるメンタリング関連の研究知見の収集、(4)関連学会における研究成果の発表を研究実施計画としていた。以下、項目ごとに達成した研究内容を整理する。 (1)小・中学校において若手教師支援に関わっている4名のミドル・リーダーへのインタビューを実施し、分析した。 (2)上記の知見をもとに、リフレクションシートの内容・項目に関する検討を行った。 (3)日本教育工学会、日本教師教育学会、AACTEに参加し、メンタリングに関する研究知見を収集した。 (4)日本教育工学会第28回全国大会において、研究発表を行うとともに、『高知大学教育実践研究』に論文を投稿し、掲載された。 このように、平成24年度の研究計画については、予定通り遂行することができた。加えて、平成25年度の研究にむけた準備も進めてきた。それゆえ、本研究の現在までの達成度について、「おおむね順調に進展している」と評価することができる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度に推進する研究の主たる内容、方策は以下の通りである。 (1)平成23および24年度の研究成果をふまえ、リフレクションシートの形式、内容、活用方法の観点から、リフレクションシートの修正を行い、完成させる。 (2)完成したリフレクションシートを若手教師支援に関わるミドル・リーダーに配布する。その上で、リフレクションシートに対する評価情報を収集し、分析する。 (3)国内外の関連学会におおいて、メンタリングに関する研究知見を収集する。 (4)上記(1)~(3)の取り組みから導き出された研究成果については、日本教育工学会、日本教師教育学会等において研究発表を行う。あわせて、ショートレターや論文としてまとめ、投稿する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度の研究費は、(1)物品費、(2)旅費、(3)人件費・謝金、(4)その他について、次の通り、その使用を計画している。 (1)物品費:メンタリング関連の洋書・和書を購入する。 (2)旅費:関連学会、研究会における研究発表およびメンタリングに関する研究知見の収集にあてる。 (3)人件費・謝金:本研究に関わる資料整理およびリフレクションシートの最終評価(外部評価)に関わって使用する。 (4)その他:リフレクションシートの印刷費および研究成果発表にかかる費用(学会参加費など)として使用する。
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