2011 Fiscal Year Research-status Report
ユーザに適応した言語情報を付与するWeb読解支援システム
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23700996
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
溝渕 昭二 近畿大学, 理工学部, 講師 (30340756)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | Web / 読解支援 / 言語情報 / 語彙力推定 / 難易度推定 / 適応学習 / 項目反応理論 / 読み |
Research Abstract |
本研究では,ユーザの語彙力に適応してWebページ内の語句に言語情報を同時複合的に注釈するシステムを提案する.本研究の目的は,Webページの読解中に生じる未習あるいは想起困難な語句による悪影響を低減させることにより,Webページの読解を支援すること,および,その過程で獲得したユーザの語彙力や語句の難易度を外部に提供することにより,それらの再利用性を高めることである.本年度は,以下の項目に対して研究を実施した.1.読みを注釈するための方式の考案と実装:ユーザの語彙力に適応してWebページのテキストに読みを付与するシステムを提案し,実装した.また,擬似的なユーザによるシミュレーションを実施し,本システムによる語彙力推定の精度について評価した.2.言語情報を同時複合的に注釈するための方式の考案と実装:文字や単語,句や文について言語的な情報を提示するユーザインタフェースについて考案し,実装した.この評価において,言語情報の獲得に時間を要することが判明したので,その対処方法について継続して検討する必要がある.以上の成果の一部は,国際会議1件,国内会議1件で発表し,有用性と今後の課題について整理した.上記の項目は,本年度に計画していた(1)項目反応データの構成と獲得,(2)外部システムへの情報提供,(3)ソーシャルに収集したユーザの操作履歴に適した推定方法という三つの課題のうち,(1)と(3)に部分的に該当するものである.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
Webページ内の語句に言語情報を同時複合的に注釈するシステムを試作したところ,当初想定していなかった問題に直面し,その対策を講じるのに期間を要してしまったために,研究計画に遅れが生じている.問題というのは,複数のユーザが本システムを同時に利用した際に処理速度が低下し,ユーザが快適に本システムを利用できなくなるというものである.原因は,Webページの要素内のテキストごとに形態素解析を行っているため,要素数に比例して処理速度が遅くなるためである.
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の研究計画には当初から遅延の際のスケジュールを盛り込んであるので,それに従って,研究を進めていく.現在直面している問題に対しては,Webページ内のテキストを一括して解析するWebページ特化型の新しい形態素解析エンジンを開発することで対処する.本来の計画では,2年目に半年程度の評価実験を行う予定であったが,その期間を短縮して,研究計画の遅延に対処する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度の研究費は,国内外の学会等において本研究の成果報告を行うための旅費と物品以外の諸費に使用する.当初の計画通り,それ以外の費用に使用する予定はない.具体的な費目は以下のとおりである.学会発表 研究成果を発表する学会に参加するための旅費(場所未定).国内1回,海外1回を予定.論文掲載料 研究成果を論文誌に掲載するための費用.24年度に1回を予定.
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Research Products
(2 results)