2012 Fiscal Year Annual Research Report
文章生成過程における思考介入法とその効果に関する研究
Project/Area Number |
23700999
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Research Institution | Hiroshima Shudo University |
Principal Investigator |
西森 章子 広島修道大学, 公私立大学の部局等, その他 (50294012)
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Keywords | 文章産出 / 意見文 / 発想支援 / カリキュラム・教授法開発 / 高校生 |
Research Abstract |
①「書くこと」に対する高校生の問題意識とその実態に関する予備的検討 本研究は,高校生における「考えを書くこと」への消極的反応の原因とその実態について調べることを目的として進められた。高校1年生149名を対象にした質問紙調査によって得られた回答を分析したところ,高校生は,「考えのまとめ方や組み立て方」に難しさを感じており,実際彼らに考えを表現することを求める課題を実施したところ,意見のうち主張が明示できていても,主張を支える根拠を示せていないことが示された。先行研究からも,意見文の内容を自ら調節しながら書く段階に至らせることの難しさも報告されていることから,主張を支える根拠及び裏づけについて,幅広く考える学習機会が高校生にとって必要であることが示唆された。 ②根拠産出トレーニングの試行とその効果に関する予備的検討 本研究は,根拠産出トレーニングを通して,根拠を自ら考える力がつくのかどうかを調べることを目的とした。具体的には,根拠産出トレーニングを開発し,高校1年生158名(実験群:120名,統制群:40名)において実施した。結果,ある主張に対して産出される根拠数は増加すること,根拠を考える際の視点は拡大することが示された。また,トレーニング有群のうち24名について,4ヶ月後に実施したテストで産出された根拠数を調べたところ,事後テストからの根拠数の減少が有意でなかったことから,トレーニング効果の保持が確認された。 ③思考力を育てる意見文作成授業の開発 平成23年度の意見文作成授業を発展させること,特に課題として残された「裏づけ」が書けない高校生への教育的介入を検討することを目的として,高校2年生を対象とした実践が計画・実施された。このとき,教育的介入の一つとして「裏づけ産出トレーニング」が開発され,実施された。これまでの授業過程では,裏づけを意識した生徒の発言などが観察されている。
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Research Products
(2 results)