2012 Fiscal Year Annual Research Report
放射性炭素年代との相互比較による光ルミネッセンス年代測定法の確度検証
Project/Area Number |
23701012
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
下岡 順直 京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 研究員 (10418783)
|
Keywords | OSL年代 / 較正C-14年代 / 相互比較 / 確度向上 / OSL測定条件 |
Research Abstract |
旧石器時代研究などにおいて、古環境復原の解像度は飛躍的に向上しており、遺跡堆積物の数値年代の確度が一層求められている。しかし、遺跡堆積物のOSL年代の確度について検証がなされているとは必ずしも言えず、不確定要素が残る。そこで、暦年較正放射性炭素年代(較正C-14年代)と相互比較を行うことを目的とした。 まず、石英鉱物のOSL信号のゼロリセットを検証した。Co-60γ線を30 Gy照射した試料を約60000ルックスに設定した人工太陽の下で0秒(露光なし)、1秒、10秒、60秒、600秒、10800秒、28800秒間露光しOSL測定を行った。その結果、10秒後にはOSL強度は約8%まで急激に減少した。600秒では約4%まで減少することがわかった。 次に、SAR法OSL測定の測定プロトコルを改良した。thermal transferによる回復現象を抑制するため、テストドーズ測定後に、ホットブリーチの工程を新たに追加した。そして、自作OSL装置にインストールして動作確認を行い、正しく動作していることを確認した。また、焼成レンガ試料の年代測定を実施し、レンガ試料のTL年代と比較した結果、両者はよく一致し、OSLプロトコルの有効性を確認できた。 神鍋単成火山では、スコリア直上の古土壌のOSL年代測定を行い、21±1.7 kaと求めた。同じ層準でC-14測定用の試料が得られなかったので、さらに上層の黒ボク土壌についてC-14測定を行った。その結果、較正C-14年代は2,850~2,760 cal yBP(2σ)であった。これらOSL年代と較正C-14年代は、層序的に整合する。さらに、神鍋溶岩流は研究協力者によって、古地磁気法で約25 kaと確定された。この結果とも矛盾しない。 以上の成果より、OSL年代測定の確度向上が確認でき、より信頼性高い年代を決定することができるようになった。
|
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
[Presentation] OSL dating using quartz fine grains extracted from loess in Paleolithic sites of Nihewan Basin, northern China2012
Author(s)
Shitaoka, Y.(代表者), Sagawa, M., Aoki, S., Nagatomo, T., Wei, Q., Hu, P. and Chao, M.
Organizer
3rd Asia pacific conference on luminescence and ESR dating: including non-dating applications
Place of Presentation
岡山理科大学
Year and Date
20121118-20121121
-
-
-
-
-
-