2014 Fiscal Year Annual Research Report
地方都市における高齢者の人口移動と地域再生に関する研究
Project/Area Number |
23701034
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Research Institution | National Institute of Population and Social Security Research |
Principal Investigator |
小池 司朗 国立社会保障・人口問題研究所, 人口構造研究部, 第二室長 (80415827)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 地方都市 / 都心回帰 / 市町村合併 / 自然減少 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度においては,地方都市における都心回帰の動きと市町村合併に伴う人口の動きに関する分析を行った。都心回帰の分析においては,47都道府県の県庁所在地を対象とし,1980~2010年の国勢調査による地域メッシュ統計を活用した。分析にあたっては,圏域人口の分布を考慮した「人口シェアポテンシャル」を提示し,都心と仮定した県庁所在地の市役所の位置における「人口シェアポテンシャル」の変化により,都心回帰の判別を行った。その結果,1995年以前においては大都市圏を中心として人口郊外化の進行が著しかったが,1995→2000年において,大都市圏の一部で都心回帰の兆候がみられたのを皮切りに、2000→2005年には大都市圏を中心として都心回帰の動きが一気に広まり,2005→2010年には地方都市の都市圏においても都心回帰の傾向が明瞭に現れてきたことが示された。一方で,中部・北陸に位置する都市においては全般的に都心回帰の動きが弱く,一定の地域差も観察された。また,市町村合併に伴う人口の動きについては,合併後に市役所・町村役場が設置された旧市町村(「中心地域」)と市役所・町村役場が設置されなかった旧市町村(「周辺地域」)の間で,合併前後における年齢別人口移動傾向の変化等について分析を行った。その結果,合併前後において「中心地域」と「周辺地域」の人口増減率の較差は拡大したが,その主因は「周辺地域」における相対的な少子高齢化の進展による自然減少率の拡大によるものであり,年齢別の純移動率の較差には大きな変化がみられなかった。2000年代以降においては,非大都市圏では「中心地域」・「周辺地域」にかかわらず,東京圏を中心とする大都市圏への転出超過傾向が強まったことがその一因として考えられる。
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