2011 Fiscal Year Research-status Report
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23701051
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
加藤 琢哉 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00551970)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | Collective migration / RFP / MRTF / integrin |
Research Abstract |
RFPと相互作用するタンパク質としてMRTF-Bを同定し、A431細胞で細胞間接着が失われた条件下でRFPとMRTF-Bが結合すること、さらにMRTF-Bの172-360アミノ酸の領域がRFPとの相互作用に必須であることを明らかにした。MRTF-Bのノックダウン実験から、MRTF-BがRFP同様にleading cellにおいてintegrin β1の発現を上昇させていることを見出した。これらの結果から、RFPが細胞間接着の有無に依存してMRTF-Bとの結合性を変化させ、leading cellにおけるintegrin β1の発現制御を行なっているという仮説を立て、研究を継続している。 転写阻害剤あるいは翻訳阻害剤を用いた実験から、転写阻害剤ではintegrin β1の発現上昇は阻害されない一方、翻訳阻害剤では発現の上昇が見られなくなるという結果を得た。このことからintegrin β1の発現が転写後の段階で行われていると考えられた。この仮説を検討するためにintegrin β1 mRNAの安定性および翻訳活性について調べたところ、leading cellでのintegrin β1の発現上昇はmRNAの安定性及び翻訳活性の上昇によって起こること、その制御にRFPおよびMRTF-Bが関与していることなどを明らかにした。現在RFPおよびMRTF-Bがどのような様態でintegrin β1 mRNAの安定性および翻訳活性を制御しているのかについて、(1)RFP、MRTF-Bが直接mRNAの制御を行なっている、(2)integrin β1 mRNAの制御に関わるタンパク質あるいはmiRNAをRFPとMRTF-Bが制御している、という2つの仮説に基づき検証を行なっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画では本年度はまず細胞間接着の有無によってRFPとの結合性に変化が生じるタンパク質について探索し、相互作用領域について検討予定であった。上記概要に示したとおり、MRTF-B分子が細胞間接着の失われた条件下でRFPと結合すること、MRTF-Bの172-360アミノ酸が相互作用に必須であることを明らかにし、さらにMRTF-Bがleading cellにおけるintegrin β1の発現上昇に必要であることを見出しており、この部分に関しては当初の計画以上に進展しているといえる。 RFPによるintegrin β1 mRNAの制御機構については、mRNAの安定性だけではなく翻訳活性についてもRFPとその結合蛋白であるMRTF-Bが影響を与えていることを見出した。当初の計画における想定とは異なった機構の存在が示唆されてきているが、概ね順調に進展していると考えている。 leading cellにおけるintegrin β1の重要性についてはその検討のためにintegrin β1をノックダウンした細胞株を作成したものの、アッセイ系の樹立が遅れており、当初の計画を達成しているとは言い難い。 これらの状況を総合的に鑑み、計画全体としては順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
RFPとMRTF-Bの相互作用に必要な領域について、RFP側の領域が特定できていないためその点について検討予定である。さらに、それらの領域を欠いた変異体またはそれらの領域だけを発現させることでRFP/MRTF-B相互作用がintegrin β1 mRNAの安定性や翻訳活性に必要であるかどうか、ひいてはleading cellにおけるintegrin β1の発現上昇に必須であるか否かを検証する。また、細胞間の接着が失われることでなぜRFPとMRTF-Bの相互作用が促進されるのか、その上流のシグナルについても検討予定である。 leading cellにおけるintegrin β1の発現上昇の意義については本年度作成したintegrin β1ノックダウン細胞株と親株を混合培養し、wound healingアッセイにおいてintegrin β1ノックダウン細胞がleading cellに来た場合の速度を測定し、親株がleading cellであった場合と比較することで検討する。 in vivoでのがん細胞浸潤の検討は当初計画から変更し、扁平上皮癌細胞をヌードマウスの口腔底に移植し、浸潤及びリンパ節転移、integrin β1の発現等について検討する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
相互作用領域の検討および変異体の細胞株への導入、タンパク質発現の検討などに必要となる、分子生物学・生化学試薬及び抗体、培養ディッシュ等の細胞培養関連の消耗品の購入に研究費の大部分を充当する予定である。また、in vivoでの検討に必要となるヌードマウス(現在の計画では40-50匹程度)及びがん細胞移植に必要となるハミルトンシリンジ等の器具の購入も予定している。 次年度は本研究計画の最終年度であり、国内外の学会における発表を行う予定であり、その旅費、宿泊費等を拠出予定である。
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article] Ret finger protein inhibits muscle differentiation by modulating serum response factor and enhancer of polycomb1.2012
Author(s)
Kee HJ, Kim JR, Joung H, Choe N, Lee SE, Eom GH, Kim JC, Geyer SH, Jijiwa M, Kato T, Kawai K, Weninger WJ, Seo SB, Nam KI, Jeong MH, Takahashi M, Kook H.
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Journal Title
Cell Death Differentiation
Volume: 19
Pages: 121-31
Peer Reviewed
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[Journal Article] Girdin is an intrinsic regulator of neuroblast chain migration in the rostral migratory stream of the postnatal brain.2011
Author(s)
Wang Y, Kaneko N, Asai N, Enomoto A, Isotani-Sakakibara M, Kato T, Asai M, Murakumo Y, Ota H, Hikita T, Namba T, Kuroda K, Kaibuchi K, Ming GL, Song H, Sawamoto K, Takahashi M.
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Journal Title
Journal of Neuroscience
Volume: 31
Pages: 8109-22
Peer Reviewed
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