2013 Fiscal Year Annual Research Report
癌微小環境中における乳癌浸潤過程の生体機能イメージング
Project/Area Number |
23701053
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
上岡 裕治 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (50511424)
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Keywords | FRET / 蛍光共鳴エネルギー移動 / 癌微小環境 / イメージング |
Research Abstract |
本研究課題の最終年度(平成25年度)の目標と成果は大きく分けて以下の4点であった。 ①乳癌細胞の細胞増殖を司るERK、PKAの分子活性、ならびに細胞運動・浸潤過程を司るRhoファミリーの分子活性を生体イメージングによって明らかにする。②癌細胞または間質細胞を蛍光試薬等で標識し、癌細胞と間質細胞との相互作用を生体イメージングによって調べる。③薬剤や刺激因子に対する反応性が乳癌細胞と他の癌細胞(大腸癌細胞)との間で異なるかをin vitro、in vivoで比較し、浸潤を促進する乳癌特異的な因子を同定する。④マウス固定法、イメージング手法の改良続いて、定量解析に向けたデータ解析の改良を行う。 それぞれの研究成果として、①4T1マウス乳癌細胞をマウス足踵に移植することにより癌肺転移モデルを作成し、肺への転移過程におけるERKの活性を可視化することに成功した。また同モデルでRhoファミリー分子の一つであるRac1の活性の可視化も行った。②赤色蛍光タンパク質Keimaを用いることで、癌細胞と間質細胞とを区別して生体イメージングできる段階まで達成した。しかし、間質細胞をそれぞれ区別するための蛍光標識抗体の選択が不十分で、どの間質細胞が癌細胞と接触しているかを調べることはできなかった。③抗体アレイによって、4T1マウス乳癌細胞から分泌されるサイトカインを数種類同定した。どのサイトカインが乳癌転移においてどのような機能を果たしているか、また乳癌特異的であるかは未だ検討中である。④移植した癌細胞がどのように増殖していくかを観察するために新たに「皮下観察窓:イメージングウインドゥ」を開発し、繰り返して同一箇所を観察できる系を立ち上げた。しかし、まだ拍動などの影響により、安定した画像取得が難しい段階である。生体イメージングで得られる大量のデータを自動で定量的に取り扱えるまでには至っていない。
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article] Cell Cycle-Dependent Rho GTPase Activity Dynamically Regulates Cancer Cell Motility and Invasion In Vivo.2013
Author(s)
Kagawa Y, Matsumoto S, Kamioka Y, Mimori K, Naito Y, Ishii T, Okuzaki D, Nishida N, Maeda S, Naito A, Kikuta J, Nishikawa K, Nishimura J, Haraguchi N, Takemasa I, Mizushima T, Ikeda M, Yamamoto H, Sekimoto M, Ishii H, Doki Y, Matsuda M, Kikuchi A, Mori M, Ishii M.
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Journal Title
PLoS One
Volume: 8(12)
Pages: e83629
DOI
Peer Reviewed
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