2011 Fiscal Year Research-status Report
癌幹細胞を標的治療するCD133反応性増殖型アデノウイルスの開発
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23701062
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
王 宇清 鹿児島大学, 産学官連携推進センター, プロジェクト研究員 (20505143)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 腫瘍生物学 / 癌幹細胞 / 遺伝子治療 / アデノウイルスベクター |
Research Abstract |
本研究の目的は、治療抵抗性の原因となる癌幹細胞を標的として、同定・診断・治療可能な増殖制御型アデノウイルスベクターを構築、検証するものであって、それら増殖制御型アデノウイルスの開発と癌治療経過の可視化を目的としたものである。本課題は以下の3点について明らかにする予定。1)癌幹細胞の表面マーカーと報告されたCD133が真の癌幹細胞マーカーであることの確認。2)癌幹細胞の細胞学的・遺伝子学的特徴の解明。3)癌幹細胞に標的治療する増殖制御型アデノウイルスベクター(CD133反応性m-CRA)の構築と検証。平成23年度は研究計画書通りに以下のことを進めてきた。(1) CD133は癌幹細胞の表面マーカーと報告されたが、その発現制御機構はまだ明らかにされていない。CD133の転写制御機序を解析するためと増殖制御型アデノウイルス(CD133反応性m-CRA)の構築をするため、CD133の5種類のプロモーターをクローニングした。(2) CD133のプロモーターの活性解析と癌幹細胞の特異制御解析を行うため、クローニングした5種類のプロモーターを非増殖型アデノウイルスベクターに組み込むことができた。(3) 構築した非増殖型アデノウイルスベクターを用いて、CD133高発現する消化器癌細胞株と臨床グリオブラストーマから浮遊細胞塊形成法(Sphere法)で濃縮してきた神経癌幹細胞におけるCD133プロモーターの制御活性を解析した。これらの解析はCD133の転写制御機構、特に癌幹細胞における転写機序の解明に重要な意義を示す。(4) CD133発現癌幹細胞を標的する増殖型アデノウイルスベクター(CD133反応性m-CRA)を今開発中。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は3年間の研究期間において、癌幹細胞を標的治療する増殖制御型アデノウイルス(CD133反応性m-CRA)の構築と検証を行い、それによって、固体癌の癌幹細胞表面マーカーCD133は真の癌幹細胞のマーカーであることと、癌幹細胞の細胞学的・遺伝子学的特徴を明らかにするという3つの目的の達成を目指す。第一年目、平成23年度は大体研究計画書通りに進めることができた。(1) CD133の転写を制御する5種類のプロモーターを解析するため、又は増殖制御型アデノウイルス(CD133反応性m-CRA)の構築をするため、5種類のプロモーターをクローニングした。(2) CD133の発現に制御するプロモーターの活性解析を行うため、クローニングしたCD133の5種類のプロモーターをまず非増殖型アデノウイルスベクターに組み込むことができた。(3) 構築した非増殖型アデノウイルスベクターを用いて、CD133高発現する消化器癌細胞株と臨床グリオブラストーマから浮遊細胞塊形成法(Sphere法)で濃縮してきた神経癌幹細胞におけるCD133プロモーターの制御活性を解析した。(4) 本研究室で独自開発された世界で初めて成功した効率的なm-CRA作製法で効率的に、迅速的にCD133発現癌幹細胞を標的治療する増殖型アデノウイルスベクター(CD133反応性m-CRA)を開発も進めていくことが出来た。CD133反応性m-CRAの構築は今研究計画の予定通りに進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究癌幹細胞を標的治療する増殖制御型アデノウイルス(CD133反応性m-CRA)の構築と検証を行い、それによって、固形癌の癌幹細胞表面マーカーCD133の癌幹細胞のマーカーの意義、癌幹細胞の細胞学的・遺伝子学的特徴を明らかにすることなので、これから継続にCD133反応性m-CRAの構築とそのin vitro治療法とin vivoの治療効果を検証に進めていく予定。平成24年度において、以下の研究予定をしている。(1) 継続に癌幹細胞を標的治療するCD133反応性m-CRAの構築を行う。(2) 構築したCD133プロモーターを組み込んだ癌幹細胞特異的CD133反応性m-CRAを用いて、各種のCD133発現する癌細胞株と癌幹細胞に感染し、CD133反応性m-CRAのin vitro治療法を検証する。さらに、各種の癌細胞株と癌幹細胞のCD133(+)分画とCD133(-)分画の間で、in vitroでFlow Cytometry解析かWST assayなどの生存細胞解析方法でCD133(+)細胞特異的と癌幹細胞の標的の治療効果を検証する。(3) 本研究室開発したm-CRAの作製法で、治療遺伝子(P2)の部分(作製法は本研究計画書に参考)にCD133反応性m-CRAのP2の部分にあるEGFPによりCD133(+)癌細胞と癌幹細胞を殺す以外は、治療経過の可視化も可能となり、それについての検証も行う予定である。(4) 研究の進行状況によって、in vivoの動物実験も進めて行く予定。本課題「癌幹細胞を標的として同定・診断・治療可能な増殖制御型アデノウイルスベクターの構築と検証」については、平成23年度研究計画通りに進めてきて、実験材料や実験条件、技術の準備は整っており、平成24年度は上記の研究予定について科学的に検証していく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
(1) ウイルスベクターの作製など、遺伝子組み換え実験に使用する試薬の購入。(2) 培養細胞用培地、添加因子、器具などの購入。(3) 細胞実験の試薬の購入。(4) In vivoでの治療効果の検証を行うため、SCIDマウスの購入など。(5) 研究結果を発表の印刷代、研究の打ち合わせと学会発表の旅費など。初年度にin vitro, in vivoの一部解析を行う予定であったが、研究の進展により、ベクター構築を優先する方が、研究全体を効率よく進めることとなった。そのため、その解析の経費を2年目に使用したい。
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