2013 Fiscal Year Annual Research Report
miRNAによる悪性リンパ腫の治療効果判定予測と生物学的意義の解明
Project/Area Number |
23701088
|
Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
吉澤 成一郎 東京医科大学, 医学部, 助教 (70421063)
|
Keywords | 非ホジキンリンパ腫 / 血清miRNA / miR-92a / 診断マーカー |
Research Abstract |
本研究課題では非ホジキンリンパ腫における血清miRNAの変動について、患者および健常人の血清を用いて定量PCR法で解析し、リンパ腫の診断や予後予測への臨床応用、さらには、その発現異常の機序について明らかにすることが目的である。 初年度において血清miR-92aの定量系(内部標準、外部標準を用いた標準化)を確立し、患者血清中でmiR-92aが極端に低下していることを明らかにし、組織別、臨床病期別、染色体異常、病期(診断、寛解、再発時)における血清miR-92aの変動を詳しく解析したところ、診断時で著しく低下した血清中miR-92aの発現レベルは、寛解時に健常人と同レベルまで回復し、さらに再発時には診断時と同様の発現低下が見られた。以上の研究結果は、PLoS One. 2011 (6(2):e16408)にpublishされた。よって、次年度および最終年度は、リンパ腫組織内で高発現しているmiR-92aがなぜ血清中では低下するのかについて、そのメカニズムについて明らかにすることを目的とし研究を行った。 血清中のmiRNAはエクソソームという細胞小胞に包まれて細胞外へと放出され、さらには他の細胞に取り込まれて細胞間相互作用に重要な役割を示している事がこの数年の間に多数報告され、ひとつの研究分野として確立しつつ有る。実際にmiR-92aをCML(慢性骨髄性白血病)由来細胞株に導入して、その細胞が放出するエクソソームを回収して血管内皮細胞に添加し、その血管新生能の変化を評価するin vitro系で証明することに成功した。しかし、リンパ腫の細胞株(SUDHL-4)は、CML細胞株と比較してエクソソーム放出量が少ないことがNano particle tracking assayにより判明し、CML細胞を用いた系で得られた実験結果と同様の傾向は示す一方で、エクソソーム量の観点からはモデル系の構築に適していない面も存在した。
|
Research Products
(4 results)