2013 Fiscal Year Annual Research Report
マルチオミクス解析を利用したがん幹細胞特異的スプライシングバリアント探索法の開発
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23701092
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Research Institution | Shizuoka Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
畠山 慶一 静岡県立静岡がんセンター(研究所), その他部局等, 研究員 (20564157)
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Keywords | 癌 / バイオマーカー / オミクス / がん幹細胞 / スプライシング |
Research Abstract |
本申請は、マルチオミクス解析を利用して、がん幹細胞特異的なバイオマーカーの新規探索技術を開発することを目的としている。前年度までに、少量のがん幹細胞由来のタンパク質を効率よく同定できるマルチオミクス的手法を開発し、CD133陽性の大腸癌細胞株に特異的に発現している遺伝子またはタンパク質を同定することができた。さらにこのタンパク質は、がん患者の血清中に分泌されている可能性を示した。 今年度は、昨年度までに開発した新規探索アプローチを用いて、新たなスプライスバリアントを同定し、ナンセンス変異依存 mRNA 分解機構 (nonsense-mediated. mRNA decay, NMD)の標的分子であることを明らかにした。またNMDが抑制傾向にある高転移性を有するがん細胞株では、このバリアントが蓄積されていることを示した。外部刺激により強制的にNMDを抑制したがん細胞株は、このバリアントが高発現(蓄積)することが示唆された。がん幹細胞との関連性はいまだ詳細は不明だが、血中循環腫瘍細胞 (circulating tumor cell, CTC)の一部でNMD抑制とバリアントの発現上昇が確認された。また、この発現上昇は血管浸潤、リンパ管浸潤と腫瘍の深達度と有意な相関が認められ、このバリアントがバイオマーカーとして有用な可能性が示唆された。今後は、検体数を増やし、バイオマーカーとしての性能を評価していく予定である。また、これらの発現量ならびにNMDとがん幹細胞マーカーの発現との関連も調べていく予定である。
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[Presentation] Survivin expression in circulating tumor cells of patients with gastric cancer2014
Author(s)
Masanori Terashima, Keiichi Hatakeyama, Yushi Yamakawa, Norihiko Sugisawa, Yuichiro Miki, Rie Makuuchi, Hironobu Goto, Masanori Tokunaga, Yutaka Tanizawa, Etsuro Bando, Taiichi Kawamura, Keiichi Oshima, Toru Mochizuki
Organizer
2014 ASCO Gastrointestinal Cancers Symposium
Place of Presentation
San Francisco, California, USA
Year and Date
20140116-20140118
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