2012 Fiscal Year Annual Research Report
大腸癌臨床検体を用いたリン酸化プロテオーム解析およびSRM/MRM法による検証
Project/Area Number |
23701093
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Research Institution | 独立行政法人医薬基盤研究所 |
Principal Investigator |
白水 崇 独立行政法人医薬基盤研究所, 創薬基盤研究部, 研究員 (00582678)
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Keywords | 大腸癌 / プロテオミクス / バイオマーカー |
Research Abstract |
【研究の目的】本研究では、大腸癌患者組織を用いた大規模リン酸化プロテオーム解析により、バイオマーカー候補の探索を行う。バイオマーカー候補分子については、三連四重極型質量分析計を用いたSRM/MRM(Selected Reaction Monitoring/Multiple Reaction Monitoring)法による検証を行うとともに、細胞の増殖、浸潤、転移といった癌化と関連する機能についての解析を行う。 【最終年度の成果】大腸癌臨床検体のプロテオーム解析により得られた癌転移に関わるバイオマーカー候補について、候補分子の絞り込みを行った。マウス同所移植モデルにより樹立した、転移性ヒト大腸癌細胞株のプロテオーム解析の結果との比較から、両方で共通な変化が見られた分子をSRM/MRMによる検証の候補とした。また、癌転移との機能的な関連について調べるため、in vitroでの浸潤能試験を行った。siRNAによるスクリーニングにより、癌浸潤に関わる新規分子を同定した。また、プロテオーム解析の結果にはこれまで未同定であったタンパク及びリン酸化タンパクが多く含まれていたので、それらの結果をデータベースへ登録した(http://www.proteomexchange.org/)(ID:PXD000089)。 【期間全体での成果】進行度の異なる大腸癌の臨床検体を用いた大規模リン酸化プロテオーム解析により、バイオマーカー候補および悪性化に関わる分子の探索を行った。解析条件の最適化により、これまで同定されなかった多くの分子が同定された。転移性株の解析結果との比較とパスウェイ解析により、バイオマーカー候補分子の絞り込みを行った。またin vitro浸潤能試験により、癌浸潤に関わる新規機能分子を同定した。今後は臨床検体でのSRM/MRMにより、癌転移マーカーとしての有用性について検証していく。
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Research Products
(4 results)