2012 Fiscal Year Annual Research Report
乳癌患者自己抗体を用いた術後補助化学療法選択システムの開発
Project/Area Number |
23701100
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
爲佐 路子 山口大学, 医学部附属病院, 医師 (10570822)
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Keywords | 乳癌 / 自己抗体 / プロテオミクス / 二次元電気泳動 |
Research Abstract |
40症例の乳癌の癌組織と非癌部組織から抽出した可溶性蛋白を二次元電気泳動で展開した後に蛋白質をPVDF膜に転写し、血清(乳癌患者血清あるいは非担癌患者血清)を一次抗体として膜上のタンパク質と結合させ、洗浄後、horse radish peroxidase (HRP)標識抗ヒト二次抗体を反応させて一次抗体に結合させた後に膜を洗浄し、ECL反応によって検出された陽性スポットを乳癌患者と非担癌患者の血清で比較し、癌患者血清において有意に発現が認められる自己抗体反応スポットを検出した。自己抗体が反応する蛋白質の同定のために二次元電気泳動を行い、See Pico CBB Kitを用いて染色し、血清と反応した自己抗体と比較して対応する蛋白スポットを10スポット選定しゲルから切り出した後にCBB色素を脱色後、脱水した後にインゲル消化して質量分析で同定したところ、 peptidyl-prolyl cis-trans isomerase A、triosephosphate isomerase、ubiquitin-conjugating enzyme E2Nの3スポットの蛋白質は同定することができたが、他の7スポットの蛋白質同定はできなかった。今後はさらにこれらの同定できなかった蛋白スポットの同定を続けていく必要がある。 今後は血清自己抗体による化学療法要不要群の選別システム(患者血清中に発現する複数の自己抗体の種類と、患者の臨床背景因子(癌の組織型、リンパ節転移の有無、腫瘍マーカーの値、脈管浸潤の有無、再発の有無、予後など)を詳細に照会して、予後に密接に関連する予後因子としての抗体の組み合わせを見出し、化学療法の必要な群と不要な群の選別)の開発を検討する。
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Research Products
(6 results)