2012 Fiscal Year Annual Research Report
タラノ芽由来抗腫瘍性タンパク質aralinの癌細胞選択的毒性発現機構の解析
Project/Area Number |
23701104
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
秋山 弘匡 東京理科大学, 基礎工学部, 助教 (40400254)
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Keywords | 抗癌剤 / 分子標的治療 / RIP / 腫瘍抑制 |
Research Abstract |
(1) 以前の研究で、aralin経口投与により皮下移植したHeLa細胞の腫瘍形成能が著しく抑制したことから、形成された腫瘍に対しての腫瘍抑制効果を検討した。NOD/SCIDマウス皮下にHeLa細胞を移植し、腫瘍の大きさが150 mm3を超えた時からaralinを経口投与した。その結果、腫瘍の縮小までは認められなかったが、腫瘍の増大が停止した。次に、HDLBP安定発現HeLa細胞株と発現抑制株をNOD/SCIDマウス皮下にHeLa細胞を移植し、同様にaralinによる腫瘍形成能を検討した。その結果、HDLBP発現抑制株はaralinを経口投与しても、PBSを経口投与したコントロールマウス群と同様に腫瘍抑制効果が見られず、腫瘍が増大した。しかし、HDLBP安定発現株での、aralinによる腫瘍抑制効果はコントロール細胞株と同様であった。この結果は、細胞株を用いたaralin感受性と同様であったことから、プロセッシングで生じる110 kDa HDLBPの発現量がaralinによる腫瘍抑制に寄与していることが示唆された。これらの結果より、aralinは抗癌剤として腫瘍形成を抑制し、aralinによる腫瘍抑制効果は、その受容体である110 kDa HDLBP発現量に依存することが明らかとなった。 (2) 完全長150 kDa HDLBPよりプロセッシングで生じる110 kDa HDLBPがaralin受容体として機能することから、プロセッシング部位の同定を行った。HDLBPのN末端もしくはC末端に、EGFP融合させたプラスミドをHeLa細胞に導入し、EGFP抗体もしくはHDLBP抗体を用いウェスタンブロットを行った。その結果、HDLBPのN末端部位がプロセッシングを受けることが明らかとなった。
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Research Products
(1 results)