2011 Fiscal Year Research-status Report
環境アレルゲンの動態評価のための連続計測技術に関する研究
Project/Area Number |
23710003
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
宮島 久美子 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 技術職員 (10516298)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 光ファイバ / 光ファイバプローブ / 環境計測 / ハウスダスト / ダニアレルゲン / Der f1 / 蛍光検出 |
Research Abstract |
小型軽量な光学実験系による蛍光免疫測定法を用いた浮遊環境因子の測定技術の開発を目指し、本年度は小型蛍光検出システムの構築、及び開発したシステムによるダニアレルゲンDer f1の計測実験系の確立について検討を行った。蛍光検出システムの開発ではまず、センサプローブとして、ポリスチレン製の汎用光ファイバを採用し、その端面を利用して蛍光検出を行える構造とした。なお、蛍光色素Cy5にて標識した抗体を用いてサンドイッチ型の免疫複合体をプローブ端面に形成することで、抗原検出を行うこととした。プローブは二分岐型光ファイバに接続し、入力端には帯域フィルタ(透過波長: 620-650 nm)を介してLED励起光源を、出力端には励起光の反射成分を遮断し、蛍光を抽出する帯域フィルタ(透過波長: 670-750 nm)を介して光電子増倍管を接続した。本システムを用いることで、光ファイバプローブにより蛍光色素Cy5を高感度に定量可能であった。さらにDer f1測定に適用したところ、抗原濃度と蛍光強度との間に線形性が確認されたものの検出感度が不十分であり、今後、プローブ表面の官能基の化学的修飾等による抗体固定化法を適用し、検出感度の向上について検討を進める必要がある。次に、ハウスダスト中Der f1の測定方法について検討を行った。ダニの主要な棲息場所である絨毯や布団等の表面を掃除機で吸引して採塵を行い、採集したハウスダストに一定の割合で緩衝液を加え、懸濁液を遠心分離して上清を測定用試料とした。得られたハウスダスト試料について本システムによりDer f1の検出を試みたところ、従来法(ELISA)では検出されるものの、本実験系では有意な出力は得られなかった。システム感度の改善について検討を進めた後、再度実サンプルの計測について評価する必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
小型軽量な光学実験系を構築して蛍光免疫測定法による環境因子の測定技術を開発し、浮遊環境因子計測に展開するという研究の目的に対し、本年度は達成目標の基盤技術である光学実験系の構築と確立を遂行したことから、概ね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
構築した蛍光免疫検出システムによるダニアレルゲンDer f1の検出感度の向上について検討するため、まず、光ファイバプローブ端面に官能基を修飾して捕捉抗体を化学的にプローブ端面に結合させる方法について検討する。その後、気相中Der f1の計測を目指し、気相成分取り込みデバイスの作製、導入を進める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
Der f1検出感度向上に係る実験については、プローブへの官能基修飾のための試薬を中心に購入する予定である。気相成分取り込みデバイスの作製においては、アクリルブロックや工作器具等を早期に購入して試作品を作製する予定である。さらに、作製したデバイスを蛍光検出システムに組み込む際に、試薬の送液機構へのシリンジポンプの導入を計画している。また、研究成果発表のため国際会議や国内学会への参加を予定している。
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Research Products
(27 results)