2012 Fiscal Year Annual Research Report
環境アレルゲンの動態評価のための連続計測技術に関する研究
Project/Area Number |
23710003
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
宮島 久美子 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 技術職員 (10516298)
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Keywords | 光ファイバ / 環境計測 / ダニアレルゲン / Der f1 / 蛍光検出 |
Research Abstract |
小型軽量な光学実験系による蛍光免疫測定法を用いた浮遊環境因子の測定技術の開発を目指し、昨年度までにダニアレルゲンDer f1計測実験系を構築した。ポリスチレン製の汎用光ファイバをセンサプローブとし、プローブ端面に蛍光色素Cy5にて標識した抗体を用いてサンドイッチ型の免疫複合体を形成させDer f1定量性を確認したところ、十分な検出感度が得られなかった。そこで本年度は、まず検出感度の向上のため、測定原理に免疫化学蛍光法を利用した。検出抗体にビオチン標識抗体を用い、サンドイッチ型免疫複合体を形成したのち、ストレプトアビジンペルオキシダーゼを結合させ、蛍光基質ADHPを反応させると、ペルオキシダーゼの触媒反応により蛍光物質であるレゾルフィンが生成される。触媒作用によりアレルゲンによる信号が化学的に増幅されるため、検出感度の向上が期待される。まず、ポリスチレン製容器の内壁に免疫複合体を形成し、生ずる蛍光をプローブにより確認したところELISAと同等の0.98-250 ng/mlの範囲で計測が可能であった。そこで、プローブ端面に直接免疫複合体を吸着させ計測したところ、7.8-250 ng/mlの範囲でアレルゲン濃度に依存した蛍光強度が確認された。検出感度の差異は、それぞれの測定における有効面積が異なり、そのため生じた補足抗体固相化量の差に起因するものと考えられる。今後、プローブ端面の表面積増加のため、端面の微細加工や、ポリマービーズを抗体固相化担体としてプローブ端面に結合する方法について検討を行う予定である。さらに、気相中Der f1計測への展開をめざし、浮遊アレルゲン取り込みデバイスの試作に行い、多孔質膜を介して気相と液相を隣接させるデバイスを開発した。今後、取り込み能評価をフィードバックしながらデバイス形状を確立していく。
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Research Products
(7 results)