2012 Fiscal Year Annual Research Report
ポストカラム濃縮による過塩素酸イオンの高感度検出とその実用化
Project/Area Number |
23710009
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
竹内 政樹 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 准教授 (10457319)
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Keywords | ポストカラム濃縮 / 過塩素酸イオン / 大気エアロゾル / 自動分析 / イオンクロマトグラフ |
Research Abstract |
今年度は、ニールインパクターを用いて分級捕集した大気エアロゾル(PM10-2.5とPM2.5)に含まれる過塩素酸イオン(ClO4-)分析法について検討した。イオンクロマトグラフィーによるClO4-の分析では、試料にSO42-などのマトリックス成分が高濃度に含まれていると、それらのピークのテーリング部がClO4-ピークと重なるためClO4-の定量が妨害されてしまう。そこで本研究では、ClO4-定量法としてPC-PE-IC法を用いた。本法は、試料を濃縮カラムに導入後、始めにマトリックス除去液で主要陰イオンを溶出させ、次に、依然として濃縮カラムに保持されているClO4-をイオンクロマトグラフで定量する。PC-PE-IC法を最適化するため、1)濃縮カラムに試料およびマトリックス除去液(10mM NaOH)を送液可能な最大流量、2)試料濃縮前に行う濃縮カラムのコンディショニングに必要な超純水の容量、3)濃縮カラムに保持されたClO4-の完全溶出に必要な溶離液(120 mM NaOH)の容量、4)濃縮カラムに濃縮可能な試料量についての検討を行った。1)は、流量2.5 mL/minまでは問題なく送液できたため、濃縮カラムへの送液流量は2.5 mL/minとした。2)の検討では、コンディショニング溶液量を変化させて、ClO4-標準液をイオンクロマトグラフで分析した。超純水10 mL以上でClO4-のピーク高さが一定になったことから、コンディショニングに用いる超純水は10 mLとした。3)を検討した結果、溶離液量1.25mLで、濃縮カラムに保持されているClO4-が完全に溶出できた。4)では、5ppb ClO4-標準液100 mLを濃縮しても濃縮カラムの破過はみられず、安定したピークを得ることができた。そこで、実試料の濃縮量はフィルター抽出液量の大部分を占める20 mLに決定した。
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