2013 Fiscal Year Annual Research Report
新規大気微量成分分析法を用いた植物より放出される揮発性有機化合物の計測
Project/Area Number |
23710015
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
中嶋 吉弘 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 助教 (20419873)
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Keywords | 揮発性有機化合物 / 植物 / 微量成分分析 / 環境影響 |
Research Abstract |
本研究は植物から放出される揮発性有機化合物(BVOCs)について当研究室で開発した新規微量成分分析法であるOH反応性測定法により分析を行い、ガスクロマトグラフ分析法に代表される従来の分析方法では検出されなかった未知の化学物質の存在およびその放出量 を定量化する。本研究では日本特に都市域に生息する樹種を対象として、樹木から放出される有機化合物の測定を行いさまざまな環境条件に置かれた樹木が放出するVOCsの放出量や組成を明らかにする。 今年度は日本国内の山林および街路樹おける主要な植物について、植物用エンクロージャーを用いて、植物から放出されるBVOCsをガスクロマトグラフィーを用いて測定を行った。その結果、山林に植生が多くみられるスギ・アカマツ・クロマツについては多種多様なモノテルペン類が高濃度で検出された。一方でヒノキ・イチョウについてはモノテルペン類を含めたBVOCs濃度は、分析器の検出限界未満であった。今年度は引き続きOH反応性による測定を行う予定であったが、装置が設置されている国立環境研究所において、施設の耐震工事に伴う実験施設の移動と、移動後の装置調整により、OH反応性に関する計測を行うことができなかった。 しかしながらスギ・アカマツ・クロマツについては、多種多様なモノテルペン類が検出されたこと、米国森林における観測結果を考慮すると、ガスクロマトグラフィーでは同定が困難な未知の物質がOH反応性により観測される可能性は高いと予想される。
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Research Products
(5 results)