2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23710044
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
寳來 佐和子 鳥取大学, 地域学部, 准教授 (60512689)
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Keywords | 水銀蓄積 / マングース |
Research Abstract |
マングースとラットの初代肝細胞を用いて、24時間のMTTアッセイによる水銀毒性試験を実施した。マングースは肝臓に水銀を比較的高レベルに蓄積していることから、水銀の解毒機構が存在していると考えられ、ラットと比べ水銀耐性が高いことを予想。メチル水銀、塩化水銀(無機水銀)、亜セレン酸のマングースにおけるIC50(μM)は、4.24、41.8、31.6となった。一方ラットは、それぞれ4.74、29.1、150となり、3種すべてにおいてマングースを上回った。すなわち、マングースはラットと比べ、メチル水銀、無機水銀、亜セレン酸毒性に弱いという結果となった。 そこで、肝臓中総水銀レベルが毒性試験に及ぼす影響を調査するため、肝臓中総水銀レベルとIC50との関係を解析したところ、メチル水銀と無機水銀は有意な関係がみられなかったが、亜セレン酸毒性において、肝臓中総水銀レベルが高いとIC50が低い傾向がみられた。水銀高蓄積種の肝臓において、水銀とセレンのモル比はおよそ1であることが知られている。セレンは閾値が狭く、毒性の比較的高い必須元素である。肝臓中総水銀レベルが高いと亜セレン酸のIC50が低いという本研究結果は、水銀の高蓄積とともに体が認識するセレンの体内保持量の上昇が、何らかの形で亜セレン酸毒性を強めている可能性が推測された。
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