2013 Fiscal Year Research-status Report
廃プラスチックの広域化処理における政策決定モデルの構築に関する研究
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23710061
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
戸敷 浩介 静岡県立大学, 環境科学研究所, 助教 (00542424)
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Keywords | ごみ処理広域化 / 廃プラスチック処理 / 地理情報システム / エネルギー回収 / リサイクル / 温室効果ガス |
Research Abstract |
本年度は、前年度までに作成したGISデータベースを活用し、静岡県内の市町村の可燃ごみ排出量及びプラスチック分別量の地域分布を整理し、既存の焼却施設の規模や稼働年数を考慮しながら複数の広域化シナリオを作成して整理した。 また、昨年度までは焼却施設の余剰能力について、十分に考慮していなかったが、施設の点検による稼働停止期間等も考慮し、作成する広域ブロック内の複数の施設の余剰能力の合計を一定程度確保することをシナリオに盛り込んだ。 更に、シナリオ分析では、これまで二酸化炭素とエネルギー収支を評価していたが、これに加えて経済性についても評価を加えた。例えば、静岡市を中心とする静岡県中部の広域ブロックで、志田地区に新規施設を設置するシナリオと、既存の5施設で広域処理を行うシナリオを比較した場合について、施設の建設費・維持管理費、ごみ収集車の走行距離の延伸による費用変動(ごみ収集車の新規購入・維持管理費、燃料費、人件費等)なども考慮したモデルを構築している。 本研究で構築した広域処理の政策決定モデルについては、日本全国の地方自治体で活用が可能になるように、最も普及している地理情報システムソフトウェアであるESRI社ArcGIS for DesktopとESRI社ArcGIS Data Collectionで構成し、地方自治体が作成している『一般廃棄物処理基本計画』から基本情報を取得することで構築することが出来るようにした。これらの作成方法についての詳細は、本学HP上に公開を予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の主な目的は、1)静岡県を事例としたごみ処理区域の広域化によるエネルギーや環境等への影響についての、GISデータベースを用いた定量的な評価、2)構築したGISデータベースを用いて、ごみ処理広域化の下での廃プラスチックの分別・処理のあり方を明らかにすること、3)本研究の成果物として、ごみ処理広域化の下での焼却処理、廃プラスチックの分別・処理方法等に関するエネルギー・環境影響等の定量的評価手法の確立、の3つを挙げている。 本年度までに、この3つの目的については概ね達成することが出来ている。また、本年度からは新たに、自治体間の連携や協力などに有用な情報を提供するための評価手法について明らかにすることを目的に加えている。これについては、経済性の評価を加え、自治体がより具体的に広域処理を検討出来るようにしており、概ね達成することが出来たと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は、本研究の成果を論文投稿や学会発表、ホームページ上での公表などを通して広く発信することを予定している。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究発表を計画していた環境科学会の開催地が、申請者が在住する静岡県静岡市であったため、想定していた旅費や滞在費を節約することができた。 本研究の成果を広く社会に発信するため、論文投稿にかかる費用、または学会発表にかかる旅費を中心に使用する。
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