2012 Fiscal Year Annual Research Report
カーボンフットプリント制度の検討―消費者・小売行動と環境負荷
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23710063
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
平湯 直子 早稲田大学, 社会科学総合学術院, 客員次席研究員 (10590705)
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Keywords | カーボンフットプリント / CO2 / 販売過程 |
Research Abstract |
平成24年度は①食品スーパーのカーボンフットプリント(以下、CFP)算出-推計方法の改訂と考察、②世界のCFP制度の進捗状況の整理・制度概要の比較-販売過程を中心に、以上の2点の研究をおこなった。CFP制度は「商品及びサービスのライフサイクル全体(原材料調達から廃棄・リサイクルまで)で排出される温室効果ガスをCO2に換算し、表示する」制度である。2010年の制度改訂で当面、販売過程での排出は適正な原単位の整備が不十分であることから暫定的に算定・表示に含まないことが定められた。平成23年度の研究において、食品スーパーの協力による業務データを有効利用し、販売過程のCO2排出量の試算をおこない、店舗特性(立地条件、商圏の年齢層、店舗規模等)に応じた環境負荷量の算出をおこなった。そこで今年度は①において先行研究の再整理、LCA算定手法の再確認等を通して算定方法の一部見直しをおこない、改めて販売過程のCO2排出量の算出に着手した。具体的には電力使用量の店舗規模別用途配分の考慮、店舗売上に占める食品比率を考慮した配分方法の導入をおこない、これにより各店舗別・各商品別の販売過程におけるCO2排出量の算定が可能となった。また算定結果を用い、店舗のリサイクル活動協力の拡大及び自動車利用状況の改善等によるCO2排出削減効果のシミュレーションをおこなった。②では、世界のCFP制度の状況を取りまとめた。近年、欧州を中心に世界の国々・民間企業にCFP制度構築・算定の動きは広がっているが、上記の理由から一部を除いて販売過程の算定が含められていないのが現状である。今後、販売過程が含められるよう事例を積み上げ、制度再改定が進んでいくことが予想されるため、世界各国のCFP制度のこれまでの進展の経緯及び制度の概要を概観するとともに販売過程の取り扱い状況をまとめた。
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