2013 Fiscal Year Annual Research Report
放射線誘発乳がんの起源細胞と表現型・遺伝子型に関する研究
Project/Area Number |
23710074
|
Research Institution | National Institute of Radiological Sciences |
Principal Investigator |
今岡 達彦 独立行政法人放射線医学総合研究所, 放射線防護研究センター, チームリーダー (40356134)
|
Keywords | 放射線発がん / 起源細胞 / 乳がん / 単回照射 |
Research Abstract |
放射線誘発乳がんの起源細胞種はよくわかっていない。本研究では、ラット乳がんのサブタイプ判定法を構築し、サブタイプの起源細胞に関する知見から放射線単回照射誘発ラット乳がんの起源細胞を推定することを目的とした。ラット乳腺未分化細胞を用いた移植実験による起源細胞の推定も検証した。動物実験は動物実験委員会において承認された計画に従い実施した。 初年度及び次年度は、①サブタイプ判定に有用なマーカー5種の予備検討及び一部検体の免疫組織化学的染色を開始した。②マイクロアレイデータからの組織的バイアス除去法及び学習・分類アルゴリズム(いずれも既報のもの)の実行システムを構築した。③アノイキス耐性を利用した未分化細胞濃縮の検討を開始した。 最終年度は、小児期γ線照射により誘発した乳がんを追加した計42個のラット乳がんの免疫染色陽性率データを得、これを用いたクラスター解析によって数種類に分類した。また、これら検体中24個の新規アレイデータを得た。さらに、クラスター化の統計学的有意性を検定する既報アルゴリズム2種を実行する情報処理システムを整備した。ラット乳がん84個(新規データ含む)のアレイデータから組織的バイアスを除去すると、クラスター化の有意性に基づいて数種類に分類された。サブタイプ既知のヒト乳がん等337個の公開アレイデータを元に、学習・分類アルゴリズムによってラット乳がんクラスターを特徴付けした。免疫染色とアレイの解析結果はいずれも、放射線誘発乳がんが特定クラスターに偏っており、他より早発することを示した。アノイキス耐性により濃縮された細胞は移植再生能が低く、予定した実験に適さなかった。放射線誘発ラット乳がんの偏るサブタイプは、ヒト及びマウスでは特定細胞系譜の前駆細胞を起源とすることが過去に示唆されていることから、放射線はこの前駆細胞を起源とする発がんを特によく誘発すると推定される。
|
Research Products
(6 results)
-
-
-
-
-
[Presentation] Mammary carcinogenesis after exposure of fetal, neonatal, juvenile and adult rats to gamma rays and carbon ions2013
Author(s)
Tatsuhiko Imaoka, Mayumi Nishimura, Kazuhiro Daino, Toshiaki Kokubo, Kazutaka Doi, Daisuke Iizuka, Yukiko Nishimura, Masaru Takabatake, Shizuko Kakinuma, Yoshiya Shimada
Organizer
Heavy Ion in Therapy and Space Radiation Symposium 2013
Place of Presentation
千葉市
Year and Date
20130515-20130518
-