2011 Fiscal Year Research-status Report
全cDNA解析によるヒ素高蓄積植物土壌浄化システムの解析
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23710085
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
畑山 正美 東北大学, 環境科学研究科, 助教 (30447148)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 環境修復技術 / ファイトレメディエーション / ヒ素 / トランスクリプトーム / 次世代シークエンス解析 |
Research Abstract |
ファイトレメディエーション(植物活用汚染浄化法)は低環境負荷の浄化法として将来的に利用が期待され、フィールド試験が実施され始めている。またその利用の基盤となる汚染物質の蓄積・耐性メカニズムを解明すべく、植物体や個々の遺伝子を対象とした基礎的研究が行われているが、分子レベルでの全体像は理解されていない。本研究では、次世代シークエンサー(Roche社454FLX Titanium)を用い、ヒ素超蓄積植物であるモエジマシダの転写産物を網羅的に解析することにより当該植物のヒ素蓄積・耐性機構の全体像を分子生物学的に評価する。23年度は次世代シークエンサー(Roche社454FLX Titanium)を用い、ヒ素超蓄積植物の転写産物の網羅的解析を行い研究基盤を作ると共に、これまで得られ本植物のヒ酸取込に関する輸送体遺伝子のホモログを探索することを目的とした。5-6羽の生長段階のシダよりを土壌栽培・水耕栽培し、ヒ酸暴露の有無の条件下でインキュベートした後、羽片(葉)、根よりそれぞれtotalRNAを調製した。hotborate法の変法でtotalRNAを調製した。totalRNAをバイオアナライザーで検定した後、mRNAを調製しランダムプライム法によりライブラリーを調製した。調製したライブリーを増幅し、Roche社454FLX Titanium により解析され、263Mbのシークエンシングが行われた。アセンブル解析の結果10,000以上のlarge contigが得られた。ブラスト等の解析を行い、ヒ酸、亜ヒ酸輸送体遺伝子の候補遺伝子の情報を得た。現在いくつかのアルゴリズムを用いて解析を継続している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
23年度は、次世代シークエンサーによる発現遺伝子の網羅的解析を行う事としたが、品質の高いRNAの調製に時間がかかり、植物試料を複数回繰り返したため、予定が少し遅れている。しかしながら、研究の基盤となる網羅的に発現遺伝子の情報を取得するという最重要課題は、クリアしており今後、情報解析を進めていくことで目標とする結果が得られる可能性が高いと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
網羅的解析のコストダウンにより、対照植物の網羅的解析を行える可能性が出てきており、当該サンプルの解析の可能性も視野に入れ、試料の調製を現在行っている。対照植物の網羅的解析は、試料調製状況や研究計画に従った研究の進捗状況を勘案し検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
計画変更を伴わない23年度の未使用額は、次世代シークエンス解析に伴う費用のコストダウンと解析の遅れにより、データは年度内に得られたが、支払い・情報解析が次年度に持ち越されたため生じたものである。次年度使用額は、この事由により生じた額と平成24年度請求額とあわせ、次年度に計画している研究の遂行に使用する予定である。
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Research Products
(2 results)