2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23710088
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
MYO ThanHtay 信州大学, 工学部, 助教 (20590516)
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Keywords | 太陽光エネルギー / CO2分解 / 水分解 / 触媒 / 酸化還元反応 / 水素生成 / 環境技術 / 太陽集光熱 |
Research Abstract |
本研究は温室効果ガスの一種である二酸化炭素ガスを太陽の集光によって得られる熱エネルギーを用いて分解し、環境負荷の軽減につながる技術の確立を目的として実施した。本分解反応では、水分解により得られる水素を分解の反応補助触媒として用いた。本研究を通じて、以下に示す成果が得られた。 ①集光機構の構築:独自の設計及び作製工程を導入して、16平方センチの受光体に実質220倍程度までの集光が可能な直径2メートルのパラボーラ型集光装置を作製することができた。独自の設計及び作製方法を導入することでパラボーラ集光機構の作製費用を大幅に抑えることに成功した。また、受熱部(高温反応室)の構築には石英や炭素を用いて独自に設計し、受光率の高い受熱部の作製に成功した。 ②循環可能な水分解技術の確立:CO2分解効率を上げるために必要な水素の生成過程において、当初予定していたZn/ZnO系の触媒(必要温度:約673~2300K)に加えて、より低いエネルギーでリサイクル可能なCu/CuxO系の酸化還元反応を見出すことに成功しており、実際に573~823Kの温度範囲で水分解と触媒の再生について確認できた(本成果に関連する内容を第61回応用物理学会春季学術講演会、19p-PA2-3 2014に発表した)。本成果によって、高温反応室の耐熱性が大幅に緩和され、構造の簡易化を実現できた。 ③今後につながる研究基盤の構築:最終的な目標である二酸化炭素ガスの分解仕組み全体の確立を本研究期間内に成功させるまでには至らなかったが、今後の研究基盤を構築することができた。 ④副産成果として、比較的低い温度の条件で、水を用いて半導体の性質を示す高品質の亜酸化銅薄膜の作製技術を見出すことができ、関連成果を国際学術論文誌に発表できた(Myo Than Htay, et al, Thin Solid Films, 556(2014)211-215)。
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