2012 Fiscal Year Annual Research Report
粒子-粒子間付着力を利用した連続再生式PM2.5除去装置に関する研究
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23710093
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
山本 剛 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (20321979)
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Keywords | PM2.5 / 付着力 / 流動層 / 連続再生式 |
Research Abstract |
粒子状物質(Particulate Matter; PM)は主に発電施設、分散型動力源、ディーゼル機関などの燃焼に伴い生成・排出される微小径の煤塵であり、人体や地球環境に悪影響を及ぼす環境汚染物質である。近年、燃焼技術の向上により燃焼器から排出されるPMは微小化し、既存のPM除去装置では捕集できないサブミクロンオーダーのPMが増加している。PMは粒径が小さいほど人体の奥深くに入り込み、悪影響を及ぼしやすいことから、早急な対策が必要であるが、今のところ有効な対応策はない。そこで本研究では、既存の方法とは異なる付着力を利用した高効率PM除去装置を開発するため、流動層をPM除去装置に適用し、そのPM捕集特性について理論的・実験的検討を行った。実験では空塔速度、流動層内温度を変更しながら、粒径0.029-19.02μmのカーボンブラック、シリカ粒子、球形グラファイトを用いたPM捕集実験を行った。その結果、PMの流動抵抗を除く支配因子は、PMの粒径が小さくなるに従って重力から付着力に変わり、その境界は粒径8.95μmと2.25μmの間にあることが示された。また、支配因子が付着力である粒径2.25μm以下の場合、PMは流動層式PM除去装置により効率的に捕集されることが示された。さらに、カーボンブラックや球形グラファイトを用いて流動層内温度を上昇させた場合、300℃という低温域においてもPMの燃焼反応が起こるため、常温の場合よりもベッド粒子がクリーンな状態に保たれて捕集効率が上昇した。一方、解析ではEulerian-Eulerian2流体モデルに付着モデルを導入し、流動層式PM除去装置におけるPM捕集現象を解析した。その結果、PMの付着は気泡内ではほとんど起こらず、主にベッド粒子層の体積分率が高い部分で起こること、またベッド粒子が存在しない領域ではPMの付着は起こらないことが示された。
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Research Products
(3 results)