2014 Fiscal Year Annual Research Report
ポリアミノ酸マクロモノマーの環境負荷低減材料への応用
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23710105
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Research Institution | Suzuka National College of Technology |
Principal Investigator |
淀谷 真也 鈴鹿工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (70369990)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 合成ポリアミノ酸 / NCA法 / マクロモノマー |
Outline of Annual Research Achievements |
γ-ベンジル-L-グルタメート-N-カルボン酸無水物をモノマーに用いて、ポリ-L-アミノ酸マクロモノマーの合成を行った。開始剤にはビニル化合物である市販の4-Vinylbenzylamineと合成により得た2-Methyl-3-butene amineを用いた。重合は尿素を添加したDMF中、室温で行った。その結果、分子量が反応時間、開始剤濃度のそれぞれに二次曲線的に依存することが確認され、それらのグラフより条件を決定することでマクロモノマーの分子量を制御できることが確認された。 得られたマクロモノマーの構造解析は1H-MNRとTOF-MSを用いて行った。1H-MNRより末端に結合したビニル基に起因するプロトンのシグナルが観察されたこと、TOF-MSより全体の分子量から繰り返し単位の分子量の整数比を差し引くことで、末端基の分子量が算出できたことからマクロモノマーの合成が確認された。また、末端基のプロトンの積分値と繰り返し単位のプロトンの積分値の比より数平均分子量を決定した。 次に、合成したポリ-L-アミノ酸マクロモノマー(分子量数千程度)のラジカル重合を試みた。溶媒に精製したベンゼン、開始剤にAIBNを用いて50℃で重合を行った。しかしながら、分子量は増加せず重合の進行は確認されなかった。 原因として、通常マクロモノマーの重合は高濃度で行うことが望ましいが、系がゲル化することから低濃度で行ったことが考えられた。また、この対策として重合時間を長くするためにリビングラジカル重合を考えたが、マクロモノマーのω末端のアミノ基が重合阻害剤として働くことから、適切な条件を見つけることが出来なかった。 今後の研究としてマクロモノマーの合成時に重合停止剤としてアセチルクロリドを添加し、ω末端のアミノ基をアセトアミド基に誘導することで阻害効果を抑制し、リビングラジカル重合を試みることを考えている。
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