2012 Fiscal Year Annual Research Report
極微量物質輸送のためのMEMSピンセットによる微小管ネットワークの自動構築
Project/Area Number |
23710108
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
TARHAN Mehmet・C 東京大学, 生産技術研究所, 特任研究員 (50582839)
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Keywords | 分子移動システム / 直接分子操作 / イメージプロセス / MEMS ピンセット / 微小管 |
Research Abstract |
最終年度は、1.微小管ネットワークの構築、2.微小管選定アルゴリズム、3.微量物質輸送デバイスの実証、に関して研究を遂行した。 1と2については、微小管ネットワーク構築のための一連の操作(微細構造物に架橋した微小管の検出、微小管向きの検出、MEMSピンセットのアプローチ(下降)、微小管の捕捉、引き上げ、移動、微小管の再配置)を自動化するために、顕微鏡ステージの蛍光シャッタと電動モータを1台のコンピュータに接続とし、ソフトウエアで全ての動きを制御できるようにした。これにより、微小管の劣化をともなわずに、マイクロチップ上の微小管の画像取得が可能となった。さらに作成したアルゴリズムによって微小管の位置と向きの検出、取得した画像のトレース、マッピングを高い成功率において達成した。これは、アルゴリズムが適切であること、また非常に短時間で微小管の蛍光画像を取得できることが可能となったために微小管からの蛍光が減衰せず、微小管の発光部分と無発光のコントラストが明瞭な画像を得られるためである。 MEMSピンセットのアプローチ、微小管捕捉、引き上げ、については、ピンセット側でZ駆動マニュピレータを使って行った。ピンセット先端は鋭い形状になっているために、下降時に、先端と微細構造物が接触してしまい、先端が壊れる場合があった。この課題ついては、期間中に完全に確立することはできなかったが、降下スピードの制御最適化によって達成できると考える。 3については、2で達成したアルゴリズムを用いて、架橋された微小管をマイクロチャネル内に移動させる検証実験を行った。捕捉した微小管を、幅数百マイクロメートルのチャネル内の、望みの位置へ搬送することができた。さらに、平面上ではあるが、本研究で開発したシステムを用いて再配置した微小管上に、モータタンパク質のキネシンを加え、キネシンが移動する様子を観察できた。
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