2011 Fiscal Year Research-status Report
カーボンナノファイバーのプラスチック表面への直接領域選択合成
Project/Area Number |
23710123
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
森 伸介 東京工業大学, 理工学研究科, 准教授 (80345389)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | carbon nanofiber / CVD / plasma / area selective / low temperature / photolithography |
Research Abstract |
まず、ポジ型レジストと低精細フォトマスクを用いてフォトリソプロセスを行い、ガラス基板上にフォトレジストの微細パターンを作成した。その基板の上に直接プラズマCVDを行い、フォトレジストの上にカーボンナノファイバーを合成させた。その結果、基板上に直接合成させた場合とほぼ同様の構造のカーボンナノファイバーをフォトレジストの上に合成することに成功した。次に、このカーボンナノファイバーを成長させたフォトレジストをカーボンナノファイバーとを一緒に剥離させることを試みた。しかし、水、エタノール、アセトンなどに浸漬させ剥離を試みたが、フォトレジストは基板上に残り、フォトレジストを剥離させることはできなかった。そこで、有機溶媒の中に浸漬させた基板を超音波洗浄機の中に入れ、基板に超音波を照射することでフォトレジストの剥離を促した。その結果、超音波を長時間照射した場合にはフォトレジストを完全に剥離させることが出来た。しかし、基板の上に直接成長したカーボンナノファイバーも一緒に剥離してしまった。そこで、超音波照射時間をパラメータとしてフォトレジスト剥離条件の最適化を行った。その結果、基板上のカーボンナノファイバーを残存させたまま、フォトレジストを剥離させることに成功した。しかし、ところどころに剥離残りが生じてしまいフォトレジストを剥離した領域とカーボンナノファイバー成長領域の境界が不明瞭であった。紫外線の露光強度や空間分解能を上げる、またはレジストを均一に塗布することなどによって、これらの問題が改善できる可能性があると考えられる。また、ガラス基板ではなく、ポリカーボネート基板およびポリカーボネート基板上にCrの薄膜を堆積させた基板を用いて同じ実験を行った結果、ガラス基板の場合と同様の結果を得ることが出来た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新規に提案した領域選択合成方法を行い、すべて低温かつ行程数の少ない合成方法を実証した。ところどころに剥離残りが生じてしまいフォトレジストを剥離した領域とカーボンナノファイバー成長領域の境界が不明瞭であったが、基板上のカーボンナノファイバーを残存させたまま、フォトレジストを剥離させることに成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
基板上のカーボンナノファイバーを残存させたまま、フォトレジストを剥離させることに成功したが、ところどころに剥離残りが生じてしまいフォトレジストを剥離した領域とカーボンナノファイバー成長領域の境界が不明瞭であった。本年度は、紫外線の露光強度や空間分解能を上げる、またはレジストを均一に塗布することなどによってこの問題点を解決する方針である。また、ポリカーボネートだけでなく、様々なプラスチック材料を用いて新規プロセスを実証する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
高精細フォトマスクを購入し、どの程度の微少領域まで選択成長が可能かを検証する。また、様々なフォトレジストを購入し、フォトレジストのプラズマCVDに対する耐性を調べる。更に、より大面積基盤を一様に処理するために、プラズマリアクターに改良を行う。また、様々な低融点基板を購入し、プロセスの実証を行う。
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Research Products
(1 results)