2012 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ微粒子支援型質量分析による食品多成分評価法の開発
Project/Area Number |
23710124
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
平 修 北陸先端科学技術大学院大学, マテリアルサイエンス研究科, 助教 (30416672)
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Keywords | nano-PALDI / 質量分析 / 食品 / 農薬 / イメージング |
Research Abstract |
Nano-PALDI MSを用いて、これまで低分子が測定しにくくかったMALDI法に比べ、測定対象物質のみをイオン化、検出することができた。具体的に、核酸を酸化鉄ナノ微粒子を用いて、Nano-PALDI MS法でイオン化すると、核酸内のリン酸基2個に対し、1個の二価鉄イオン(以下Fe2+)が配位される。これが核酸特異的な事象であり、質量を測定できる他、Fe2+の付与数から塩基鎖長を決定できる。 本成果は 英国王立化学会のAnalyst (2012年4月号に表紙として掲載されている。高麗人参に関して、2Dマッピング法を用いて、簡便に成分群を識別できた。特に、カルスと高麗人参(根)では、カルスに有効成分が多く含有していること、カルスでも培養条件が異なることで含有比率、成分が異なることを簡便に示すことができた。農薬に関して検出に最適なナノ微粒子を探索した。8種類のコア成分(Ti, Cr, Mn, Fe, Co, Ni, Cu, Ag)の異なるナノ微粒子を合成した。次に、合成したナノ微粒子を用いて上記農薬群標品の検出をそれぞれ行い、得られた結果を統計学的に考察することで農薬検出に適したナノ微粒子を決定した。最後に、自作した小型水田の田面水に含まれる残留農薬を経時的に検出した。クラスター解析により、農薬検出に適したナノ微粒子の選定を行った。選定したナノ微粒子が、実サンプルを測定する上でも有効であることを実証した。 本研究において、Nano-PALDI法が、生体物質、低分子化合物の検出法として適していることを示すことができ、それが医、工、農学分野へ還元できる技術であることから、今後も研究を続けることでさらなる発展を目指す。
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Research Products
(12 results)