2013 Fiscal Year Annual Research Report
セリアナノシートおよびセリア層状体の構築による超活性触媒の開発
Project/Area Number |
23710131
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
谷口 貴章 熊本大学, 自然科学研究科, 助教 (50583415)
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Keywords | ナノシート / セリア / ハイリッド |
Research Abstract |
本研究は界面活性剤の2次元自己組織化を利用し、無機結晶を二次元的に成長させることで、高活性セリアナノシート触媒を創製することを目的とした。我々はドデシル硫酸ナトリウムと硝酸セリウムを混合し、さらにアルカリ性溶液と反応させることで厚さ1-2nm程度のセリア層とドデシル硫酸層からならる新規セリアナノシート層状体の合成に成功した。この層状体をホルムアミド中で超音波処理することによりセリアナノシートへの剥離にも成功した。ただし、合成されたセリアナノシートは単結晶ではなく、1-3nm程度の粒径を有したナノ結晶がランダムな結晶方位で二次元的に吸着している。したがって剥離プロセス中に、シート構造が壊れ、多くのナノ粒子も生成した。触媒活性については、200oC以下ではCO酸化反応は確認できなかった。それ以上の温度では有機分子の分解によるCO2が多く検出された。触媒活性を向上させるためには、単結晶ナノシートを合成することと、表面・層間有機分子を除去するか、もしくはインターカレーション反応により、機能性の界面を構築する必要がある。 上記のように、セリアナノシート層状体を触媒として応用するためには課題が残っているが、一方で我々はこの新規層状体が強発光特性を示すことを明らかにした。これは層状体界面ではCe3+とドデシル硫酸のスルホン基が結合し、二次元発光層を構築するためであること考えらる。この仮説を証明するために、Ce3+とドデシル硫酸からなる層状体を合成したところ、量子収率が約90%の紫外発光を確認した。また、セリアナノシート層状体の発光ピークに対して、約50nmのブルーシフトが観察されたことから、ナノシート構造に由来した結晶場が発光過程に大きく寄与していることも明らかとなった。
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