2011 Fiscal Year Research-status Report
生体ステルス性金磁性複合ナノ粒子のMRI造影剤への応用
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23710133
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
木下 卓也 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (90453141)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | MRI造影剤 / 磁性ナノ粒子 / 噴霧熱分解法 / 液相PLD法 / 金 / PEG |
Research Abstract |
種々の腫瘍に対して高感度検出が可能なMRI造影剤の核となる磁性複合ナノ粒子を開発することを目的とした。具体的には、生体内での分散性・ステルス性および腫瘍標的指向性生体分子の結合性を有する磁性複合ナノ粒子の合成を試みた。まず、共沈法により粒径10nm程度の磁性酸化鉄ナノ粒子(マグネタイト)を調製した。これを複合粒子の核とし、分散性・ステルス性を付与するために高分子ポリエチレングリコール(PEG)を、生体分子の結合性を付与するために金をそれぞれ表面に付着させた。(1)PEG被覆された磁性複合ナノ粒子を合成するために、噴霧乾燥法を用いた。酸化鉄ナノ粒子分散液にPEGを溶解し噴霧乾燥することで、多数の酸化鉄粒子がPEG内部に分散・固定化された粒径100-200nmの複合ナノ粒子の合成に成功した。合成粒子の磁化は乾燥時に結晶性が高くなったことで、噴霧乾燥前よりも向上した。(2)金が担持された磁性複合ナノ粒子を合成するために、噴霧熱分解法または液相PLD法を用いた。噴霧熱分解法の方は、酸化鉄ナノ粒子分散液に塩化金酸を溶解し噴霧熱分解することで、酸化鉄粒子凝集体に5-20nmの金が担持された粒径200-300nmの複合ナノ粒子の合成に成功した。液相PLD法の方は、底面に金ターゲット板を設置した容器に酸化鉄ナノ粒子分散液を入れ、YAGパルスレーザーを照射することで、5nmの金が担持された粒径200nmの複合ナノ粒子の合成に成功した。また、アミノ酸・タンパク質・酵素などの粒子への吸着挙動を評価し、液相中で磁石を用いて移動・固定できるナノ粒子上に吸着された酵素が活性を発現することが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
粒子の合成について、当初は放射線還元法による合成を計画していたが、噴霧法という新たな合成法の開発に成功し、また分散性・磁化・生体分子の吸着性能といった粒子の諸特性も向上した。初年度に計画していた粒子合成および諸特性の評価を計画通り行い、順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
計画通りに粒子合成法の高度化を行い、MRI造影剤への応用性の評価を行う。また、ハイパーサーミア担体としての可能性も期待され、診断薬だけでなく癌治療薬としての進展も行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
粒子合成法が変更したことで、若干の研究費の残額が生じたが、次年度の消耗物品費として使用する。次年度の研究費は、粒子合成および特性評価のための消耗物品費、および学会発表のための旅費として使用する。
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Research Products
(10 results)