2013 Fiscal Year Annual Research Report
生体ステルス性金磁性複合ナノ粒子のMRI造影剤への応用
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23710133
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
木下 卓也 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (90453141)
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Keywords | MRI造影剤 / 磁性ナノ粒子 / 噴霧熱分解法 / PEG / ハイパーサーミア |
Research Abstract |
種々の腫瘍に対して高感度検出が可能なMRI造影剤の核となるステルス性磁性複合ナノ粒子を開発することを目的とした。具体的には、生体内での分散性・ステルス性および腫瘍標的指向性生体分子の結合性を有する磁性複合ナノ粒子の合成を試みた。まず、共沈法により粒径10nm程度の磁性酸化鉄ナノ粒子(マグネタイト)を調製した。これを複合粒子の核とし、分散性・ステルス性を付与するために高分子ポリエチレングリコール(PEG)またはシリカを、生体分子の結合性を付与するために金をそれぞれ表面に付着させた。①PEG被覆された磁性複合ナノ粒子を合成するために、噴霧乾燥法を用いた。酸化鉄ナノ粒子分散液にPEGを溶解し噴霧乾燥することで、多数の酸化鉄粒子がPEG内部に分散・固定化された粒径100-200nmの複合ナノ粒子の合成に成功した。また、酸化鉄粒子分散液にTEOSを加え加水分解することで、シリカ被覆された磁性粒子の合成に成功した。②金が担持された磁性複合ナノ粒子を合成するために、噴霧熱分解法を用いた。酸化鉄ナノ粒子分散液に塩化金酸を溶解し噴霧熱分解することで、酸化鉄粒子凝集体に5-20nmの金が担持された粒径200-300nmの複合ナノ粒子を合成し、アミノ酸の粒子への吸着挙動を評価し、金の粒径により吸着挙動が変わることがわかった。また、がん治療にも応用できるLa-Sr-Mn系酸化物磁性微粒子の合成に成功した。合成条件により40-500nmの範囲で粒径を制御できることがわかった。この粒子は交流磁場中で発熱し、がんが熱に弱いことを利用した(がん温熱療法)ハイパーサーミアに適用できることがわかった。また、この粒子へのシリカ被覆に成功し、シリカの被覆度を条件により制御できることがわかった。
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Research Products
(4 results)