2011 Fiscal Year Research-status Report
デンドリマーの大量合成法の確立とそれを利用した機能性ナノマテリアルの調製
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23710134
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
青木 健一 東京理科大学, 理学部, 講師 (40385943)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | デンドリマー / 多段階交互付加法 / 球状集積体 / ナノマテリアル |
Research Abstract |
本申請では、デンドリマーの新規な大量合成法を開拓することが第一目標である。そこで、当該年度は、申請者らが提案している多段階交互付加法によるデンドリマー合成について、その反応条件を再検討した。用いる反応溶媒や温度、触媒の種類や添加量の最適化を行った結果、短時間で精度良く単分散性に優れたデンドリマーを合成できるようになった。このようにして得られたデンドリマーの最外殻は、水酸基、あるいはアクリル基が多数露出しており、化学反応性に富んでいる。すなわち、エステル化反応、あるいはマイケル付加反応を用いることにより、合成化学的にデンドリマー末端に所望の官能基を導入することが可能である。当該年度は、モデル官能基を合成化学的に導入した後、詳細な構造解析を行うことにより、精度良く末端修飾が可能であることを実証できた。 上記のような末端修飾法を用い、デンドリマー末端に機能性官能基を導入し、球状ナノマテリアルへの展開を検討するのが第二目的である。当初の予定では、本手法は平成24年度に検討する予定であったが、骨格母体であるデンドリマーの大量供給を見込むことができたため、これらについても前倒しで検討を始めた。具体的には、オレフィン部位や桂皮酸部位などをデンドリマー末端に導入し、それぞれの官能基が分子表面に局在化した状態における光反応性を検討した。その結果、各官能基の光重合性、光架橋性がデンドリマー末端では大幅に活性化されるという特異的な反応挙動を見出すことができている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度は、(1)申請者らが提案しているデンドリマーの大量合成法(多段階交互付加法)の反応条件を最適化すること、および(2)新規なデンドリマーを量産することが主な目的であった。そのうち、前者(1)については、ほぼ予定通り進捗している。一方、後者(2)については、ビルディングブロックの具体化と合成に予想以上の時間がかかってしまい、当該年度内だけでの開発には至らなかった。そのため、平成24年度以降の研究開発が急務となっている。しかしながら、平成24年度に行う予定であった研究内容の一部を、平成23年度に前倒しで検討しており、すでにまとまった結果が出ていることから、全体としての進捗状況は順調であると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
平成23年度に予定されていた項目の一部に、まだ達成できていない部分があるため、これについては今後も検討を進めていくものとする。また、計画書に本来記載されている研究項目も、予定通り、研究を行っていくものとする。一方で、平成24年度以降に行う予定であった研究項目の一部について、すでに前倒しで検討を進めている部分もある。これについては、今後も検討を進める。 平成24年度の予算使用状況はほぼ予定通りであったが、2千円程度が次年度に繰越となっている。これについては、次年度の消耗品購入に充てるものとする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度の予算(直接経費)は、全体で50万円程度であるため、試薬類やガラス器具類などの消耗品購入、および学会報告などにかかわる旅費等への利用を想定している。具体的な使用額は、消耗品類が40-45万円程度、旅費等への利用が5-10万円程度である。
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