2012 Fiscal Year Annual Research Report
タンパク質機能を融合した光駆動ナノバイオ加工ツールの実現とゲノム分子解剖への展開
Project/Area Number |
23710145
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
寺尾 京平 香川大学, 工学部, 助教 (80467448)
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Keywords | DNA / 分子操作 / 光ピンセット / ゲノム |
Research Abstract |
本研究は、生体分子を1分子レベルで加工するツールを開発し、新たなゲノム解析技術へ応用することを目指す。研究代表者が行ってきた光駆動ナノ構造体による生体分子の物理的操作の研究成果をふまえ、ゲノムDNA分子の操作と、タンパク質を微細構造表面に固定化する技術の開発に取り組み、ゲノム分子加工への展開について検討を行った。 本年度は微細構造の形状がゲノムDNA分子操作の効率に与える影響について調査し、高い操作効率が得られる微細構造形状を決定した。さらに、微細構造の作製に関して、電子線描画により百万個オーダーで基板上に作製し、それらを溶液中に回収した際の回収率及び、溶液の単位体積あたりの個数を計測した。また、タンパク質の固定に関して、条件検討と評価のため、微細構造を有した金基板を用いて、表面プラズモン共鳴(SPR)センシングによりタンパク質の固定化量の評価を行った。その結果、微細構造基板へのタンパク質分子の固定化を実証し、修飾した抗体分子(Anti-BSA IgG抗体)によるタンパク質(BSA)の捕捉について確認した。 本研究期間を通じて、ゲノムDNAの分子加工を目的として、光駆動微小構造体の開発と、微小構造へのタンパク質の固定化に取り組んだ。その成果として、自家蛍光を調節可能な微細構造の作製法を開発し、蛍光顕微鏡下で視認性の高い操作を実現した。また、光駆動微小構造体の基礎的な特性把握を行い、作製効率や、光トラップによる発生力について基礎データを得た。さらに、微細構造の形状がDNA操作に与える影響について評価し、従来法に比較して高い操作効率が得られる形状を決定した。タンパク質の固定化に関しては、SPR法により微細構造へのタンパク質の固定化とタンパク機能の維持を実証した。これらの技術を融合することで、ゲノムを一分子レベルで加工するツールの実現につながると期待される。
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Research Products
(4 results)