2011 Fiscal Year Research-status Report
天然原料を用いた水現像可能な環境配慮型電子線微細加工用レジスト材料の創成
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23710149
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Research Institution | Toyama Prefectural University |
Principal Investigator |
竹井 敏 富山県立大学, 工学部, 准教授 (90580069)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 微細加工 / レジスト / バイオマス原料 / 糖鎖誘導体 |
Research Abstract |
単糖グルコースや二糖類トレハロース等を用いた複数のレジスト材料を準備し、レジスト加工形状、水現像特性、水の浸透速度、表面新疎水特性、電子線硬化性、及び膜収縮性に対する材料設計とプロセス条件の依存性測定により、国内外へ学術研究機関に高品質(低パーティクル数)のサンプル提供ができる組成物設計についての知見を得た。非接触光干渉式膜厚測定による水現像特性・膜収縮性、接触角測定装置を用いた水の浸透速度・表面新疎水特性(表面エネルギー)、膜厚計と粘弾性測定装置を用いた電子線硬化性、及びナノインデンターによる機械的特性が糖化合物の化学構造、その架橋反応基や水酸基の濃度に対する相関性を理解した。デンプン類である糖誘導体を用いた非化学増幅型ネガレジスト材料は、75 keVの電子線描画装置により優れたライン加工性(1 µm)と高感度化(7.0 C/cm2)を達成した。糖誘導体の設計要素(化学増幅反応系の導入・架橋反応基濃度)とプロセス要素(電子線照射量・焼成温度・現像時間・現像温度)を最適化することにより、精細な加工ができる可能性があることが分かった。得られた研究成果を学術論文一報、研究会議一件、及び学会一件にて公開した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
デンプン類である糖誘導体を用いた非化学増幅型ネガレジスト材料は、75 keVの電子線描画装置により優れたライン加工性(1 µm)と高感度化(7.0 C/cm2)を達成でき、当初の初期目的を達成した。糖誘導体の設計要素(化学増幅反応系の導入・架橋反応基濃度)とプロセス要素(電子線照射量・焼成温度・現像時間・現像温度)を最適化することにより、精細な加工ができる可能性があることを示したため。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究を円滑に推進する上で、申請者が招へい教員を務める大阪大学から最先端の微細加工の支援を受ける体制を構築済みであり、物質・デバイス領域共同研究拠点共同研究推進委員会からバイオマス原料を用いるレジスト材料の開発に関する支援を受けることが採択されている。また、富山県工業技術センターや電子材料メーカからナノインデンターとプラズマエッチング装置を借用する体制を準備している。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
前年度の結果に基づき、主に原料合成と基礎物性について検討を行うと共に、その詳細な解析と高次評価を行う。架橋密度に対するレジスト加工形状・解像性・加工精度・リワーク性の依存性に主眼を置き、グルコース骨格を主原料に用いたレジスト材料の電子線微細加工における適用可能性を明らかにする計画である。
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