2012 Fiscal Year Annual Research Report
空間配列プローブ電極を包埋した3次元培養組織内の細胞応答シグナル計測
Project/Area Number |
23710151
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
殿村 渉 立命館大学, 理工学部, 助教 (50581493)
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Keywords | 3次元培養組織 / 包埋計測 / 空間配列プローブ電極 |
Research Abstract |
生体組織本来の性質により近づくと考えられる3次元培養組織内部の低侵襲かつ空間的な細胞応答シグナル計測に向け、本研究課題は、マイクロデバイス技術をボトムアップ的に展開した組織埋め込み型計測システムの実現を目指した。 これまで細胞吸引孔と電極を一体化したマイクロデバイスにより平面培養組織の電気生理計測を実施してきた経緯を踏まえ、空間配列プローブ電極を基本構造とするマイクロデバイスを3次元培養組織内部へ包埋することで、電気的、化学的、光学的に組織内部の細胞にアプローチすることが可能な各機能の研究開発に取り組んだ。 初年度では、ワイヤーボンディング技術とレーザー加工技術を組み合わせた空間配列プローブ電極の製作および特性評価を実施した。空間配列プローブ電極上で3次元ゲル包埋培養した神経細胞組織の電気生理シグナル計測をしたところ、神経細胞の成長過程に依存した活動シグナルの追跡を示唆されるデータを得ることができた。また、外部からの刺激システムに繋がる細胞位置計測機能について研究開発を進め、細胞の3次元位置情報を細胞のボケ画像から算出する観測システムにより、ゲル中に包埋した擬似細胞の3次元位置情報取得に成功した。 最終年度では、プローブ電極の垂直性・先端径を改良するために、レーザー加工を用いない電極製作手法に成功した。3次元培養組織の機能計測に必要と考えられる細胞位置制御機能として、改良した空間配列プローブ電極表面に強磁性材料を成膜することで電極先端部に磁場集中を創出し、磁気ラベル化した擬似細胞の電極先端部への磁気誘導に成功した。化学的手法としてはマイクロデバイスとの集積化を実現した光硬化樹脂製マイクロニードルを実現し、光学的手法としては光ファイバーを駆使した観測システムの基礎研究を進めた。また、細胞の代謝物を高感度に検出することが可能と考えられる電気化学特性に優れた電極材料の開発にも成功した。
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Research Products
(4 results)