2012 Fiscal Year Annual Research Report
ナノホールアレイを用いた表面プラズモン共鳴法によるメチル化DNAの迅速検知
Project/Area Number |
23710152
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
栗田 僚二 独立行政法人産業技術総合研究所, バイオメディカル研究部門, 主任研究員 (50415676)
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Keywords | エピジェネティクス |
Research Abstract |
現在、血液や尿などの体液中に含まれる各種生体成分を検出することは、病気の早期発見や診断、さらには治療方針を決定する上で極めて重要である。さらに、個人の遺伝子情報を取得することで、より適切な治療を行う試みが提案され、倫理面での議論は進んでいる。特に近年では、DNAのメチル化による後天的遺伝子発現の変化(エピジェネティクス)が、ガン等の疾患に関与していることが明らかになってきた。しかしながら、シーケンサーによって遺伝情報に関する膨大なデータベースは構築されるものの、その医療応用に関しては広く普及しているとは言い難い。この一因として、現場で誰にでも測定できるような簡便で洗練されたDNAセンサが無いことにある。特にエピジェネティクスに深く関与するシトシンのメチル化検出には、バイサルファイトシーケンシング法以外に有効な測定手法が確立されていない。 本研究の目的は、DNAのメチル化状態を迅速検知する新手法の提案、基礎特性評価及びデバイス化を行うことである。従来、抗体を用いる手法ではDNAメチル化の量的情報は得られるものの、位置情報を得られなかったため利用価値が乏しかった。そこで、2本鎖DNAの“歪み”を利用した位置選択的な抗体認識による迅速計測に挑戦する。これにより、測定対象DNA中に含まれる任意領域の迅速なDNAメチル化センシングデバイス開発を目指した。 本研究により、測定対象のシトシンがメチル化しているか否かを、非測定対象の影響を受けずに測定可能であることを確認した。これにより、DNAバルジを利用することによって、シーケンス選択的なメチルシトシンのイムノアッセイが可能であることがわかった。
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